QualcommがAndroidスマホでPCゲームを動かすためのGPUドライバーを自社で開発しており、試作機ではDirectX 12モードのゲームも変換を通して動いていることが明らかになりました。また、Android向けGPUドライバー自体をDirectX 12に対応させることも検討しています。
QualcommがAndroid向けPCゲーム用GPUドライバーを開発。DirectX 12ゲームも変換経由で動作
Snapdragon 8 Eliteは2024年の発表時点でGPUが携帯ゲーム機のASUS ROG Allyに並ぶ性能を持ち、QualcommがLinuxのサポートも同時に提供したため、WindowsのPCゲームをAndroid上で動くように変換するWinlatorやGameHubを動かす土台は整っていました。ただ、快適に動かすにはQualcommの標準GPUドライバーではなく、有志が開発するAdreno GPU向けの「Mesa Turnip」が使われることが多く、Snapdragon 8 Eliteでもパッチで対応が進められていました。そのため、快適に遊ぶには最適なドライバーやカーネルを自分で選び、コミュニティのガイドを頼りに手動で設定する手間がかかっていました。
そんな中、中国のテック系動画チャンネルGeekerwan(極客湾)は、Qualcommの担当者から、同社がPCゲームを変換して動かす用途に向けたGPUドライバーの開発に着手していると聞いたことを明らかにしました。同チャンネルは最上位モデルとして発表されたSnapdragon 8 Elite Extreme Gen 6のQualcommの開発用リファレンス機で『サイバーパンク2077』と『黒神話:悟空』をDirectX 12モードで試しており、どちらも変換レイヤーを通して動作したとのことです。
さらに、QualcommはWindowsを搭載するSnapdragon PC向けにはすでにDirectX 12に対応しており、Android向けでもGPUドライバー自体をDirectX 12に対応させることを検討しているとのことです。現時点で試作機の2タイトルは変換レイヤーを通して動いているため、Android向けGPUドライバー自体がDirectX 12に対応しているわけではありませんが、実現すればPCゲームをスマホで動かす際のパフォーマンスや安定性の向上が期待されます。
Android向けGPUドライバーのDirectX 12対応も検討。提供時期は不明
ただ、QualcommはこのPCゲーム向けGPUドライバーを発表しておらず、9月22日のSnapdragon 8 Elite Extreme Gen 6の発表でもモバイルゲーム機能には触れているものの、Android向けのDirectX 12対応には言及がないため、提供時期に加え、既存のSnapdragon端末が対象になるかも分かっていません。
QualcommがPCゲーム向けの公式GPUドライバーを提供することになれば、現在のように有志製ドライバーに頼る必要性は下がるとみられます。さらにDirectX 12対応まで実現すればAndroidでPCゲームを動かす用途では他のスマートフォン向けチップとの差が広がる可能性があり、今後Snapdragon 8 Eliteシリーズを搭載したハンドヘルドデバイスなどスマートフォン以外にも採用数を増やすことにも繋がると考えられます。


