仮想通貨価格の暴落に伴い、GPUでマイニングを行っていたユーザーが損失を減らすべく中古GPUとして売却しようとしていますが、そのようにマイニングに使用されたGPUを買わないほうが良い理由や安いから買いたい場合の注意点などを紹介します。
仮想通貨価格暴落とGPU出品量増
2020年末から2021年にかけてはGPUを買ってマイニングをすれば極めて短い期間で投資分を回収でき、高い収益を挙げられることからGPUを求める需要が急増、結果ゲーミングのために使う一般的なユーザーが買えなくなるほど品薄や価格高騰が置きました。
しかし、2022年に入り始めてから仮想通貨価格の暴落、同時にエネルギーコスト増大によって電気代も高騰し、マイニングで収益を上げることは極めて困難な状態となります。
そのため、2022年6月時点では中国のフリマサイトや、海外のeBay、日本ではヤフオクを通じてGeForce RTX 3080などマイニング目的で人気が高かったGPUの多くが中古品として安価に出回っていますが、このGPUを買う際のリスクをTechRadarが紹介しています。また、もしそれでも買う際の注意点についても紹介します。
故障の一歩手前である可能性
Whatever you do, don’t buy a used graphics card under any circumstances right now | TechRadar
マイニングで利用されたGPUの多くは24時間365日ノンストップで稼働している場合が非常に多いです。(止めると収益を失うので・・・)
また、できるだけ人や設備に手をかけない方が収益が上がるため、GPUが運用されている環境は古い倉庫で手入れや排熱もロクにされていないような場所で運用されている場合が多いです。そのため、GPUの大敵でもある熱に通常使用では考えられないほどの長時間晒されることから基板やハンダなどが熱により劣化が生じている可能性があります。
故障していてもBIOS改造で動作するようにしている可能性
中国のフリマサイトに出品されていたRTX 3080を買ったユーザーの中には本来10GBで320-bitのバス幅があるはずが、VRAM容量が8GB、バス幅は256-bitしか認識されないというものが届いたとのことです。
本来、GPUはPCが起動する際に自己診断を行い、今回のようにVRAMに異常があれば起動ができないようになっています。しかし、マイナーにとってはVRAM容量やバス幅が多少減っても動かしたいということで自己診断を回避する手法を利用し、さらに売却する際もこの方法を利用したまま動作確認したとして、売っているようです。
買うとマイナーの利益になってしまう
マイニング目的で購入されたGPUは最大で150億円規模と言われており、このような巨額な金額がGPUに投入されたことでゲーミング用とやクリエイティブ用途でGPUを必要とするユーザーには届かないまたは高値での購入が必要となりました。
そんな中で、2021年に仮想通貨マイニングがブームになっていた際にマイニングに参入した大多数はGPUに支払った額の半分も回収ができていないと見られています。
ここでもし中古GPUを購入し、マイナーの損失を減らしてしまえば今後同じようにマイニングブームが起きた際にGPUを大量に買ってマイニングをする人が出来たり、果には最悪の場合、売ればノーリスクで儲かりますよと言う見方を広げてしまうため、可能な限りマイニングに使われたと見られるGPUは買わないほうが言いと言えそうです。
それでも欲しいなら…
壊れているかもしれない、マイナーの損失を穴埋めする存在になるかもしれない。でもRTX 3080が安ければ欲しい・・・という人向けにどういった条件の出品であれば買ってもよいのか紹介します。
購入証明書、保証書添付は必須。保証期限内のモノを選ぶ
ヤフオクで出品されているグラフィックスカードの中には購入証明書や保証書が添付されているものがあります。
そのような製品の場合で以下のメーカーであれば例えばGeForce RTX 3000シリーズであっても発売日から考えると最低でも2022年10月までは保証期間内であるため、買って万が一壊れても無料で修理してもらえる可能性があります。
グラフィックスカードメーカー | 保証期間 | 参考情報 |
GIGABYTE | 2年(シリアル登録されている場合4年) |
4年であれば2024年9月まで保証あり。 2年しかない場合、最短で2022年9月以降は保証修理不可。 |
玄人志向(GALAKURO GAMING) | 3年 | 最短でも2023年9月まで保証されるため良いかも |
EVGA | 3年 | 最短でも2023年9月まで保証されるため良いかも |
Inno 3D | 2年 | 最短で2022年9月保証切れ |
COLORFUL | 2年 | 最短で2022年9月に保証切れ |
保証期間については、ヤフオクやメルカリで出品者に質問を打って見るのもいいですが、必ずしも正確な情報が返ってくるとは言えないため、このメーカーであれば最低でもいつまでは保証があると考えておくと良いかもしれません。
受け取り後にGPU-Z確認とストレステストとベンチマーク
保証期間が残っている場合でも購入してから壊れていると判明し、保証修理の手続をするとなると多くの時間と手間が取られてしまいます。
そのため、出品されたGPUを購入したあとには必ずGPU-Zで仕様面で変な所が無いのか確認し、その後はFurmarkのようなストレステストで異常がないか、また最後には3DMarkで購入したGPUの性能が適正値であるか確認してみる必要があります。
上で紹介されてた通り、細工をしてあたかも完動品のように騙す人も居るため、出品者を全面的に信用せず、購入した製品が問題が無いのか確認することがおすすめです。
※ヤフオクやメルカリでは商品受け取り後に『受け取り連絡』が必要となりますが、可能であればGPU-Z確認、ストレステスト、ベンチマークを済ますまでは絶対に受け取り連絡はしないように。受取連絡をしてしまえば、不具合を発見しても対応をしてもらえなくなります。
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マイニングで使われていたとしか言えないような非LHR GPUが大量にヤフオクやメルカリに出品されていますが、これらは99%マイニングで利用されたものと見て間違いありません。そのため、購入する際は安くてもマイニングで酷使されていた事、マイナーの損失を穴埋めしてしまっている事を認識した上で、もし買うのであれば必ず保証期間が残っているものを選ぶ事がおすすめです。特に価格にすると5万円を超えるため、慎重な行動が求められます。
コメント
コメント一覧 (6件)
マイニングお勤め上げのグラボなんて買う馬鹿は早々イナイト思われるが、実際に買っちゃう馬鹿も居ると思われるので、この記事は必要。
本当にいつ爆発するか分からん品だから要注意。
新品でも不都合品に当たるから同じだ〜云々とか思ってしまう馬鹿が居るかもしれないが、片や1〜2年のメーカー保証及びショップ保証付き、片や良くてショップの1週間程度の保証。
同じなわけがねぇ!
マイニングお勤め上がりは絶対買うな!
おじさんとの約束だぞ!
24時間フルパワーで使用されたグラボのへたり具合など想像に容易い。
一般的な使われ方をしてないのだから。
まぁ悪人にしたいのでしょうし、気持ちもわからなくはないですが。
元々GPGPUとしてゲーミング以外での利用を促進してきたのがAMDや NVIDIAそのものです。
そりゃ自社商品を幅広く販売する為に企業努力ですから仕方がないですし、そこに沸いたのがマイナーでしょう。
そもそも電力効率の悪い日本でマイナーと呼ばれる人がどれぐらいいるかは甚だ疑問ですが、見分ける手段はないと思いますよ。
中古買うなってことですね。
勘弁してください。RTX4080発売したら売りますよRTX3080。マイニングはしていませんが、証明することはできないでしょう。
電力効率が悪いって言っても1~2年前なら空いた時間に回してるだけで購入代金をペイ出来る程度には稼げたわけで
ただマイナーなら電力制限かけた上でファンの回転数も高めにしてるはずなのでカード本体へのダメージは少ないとは思うよ
むしろ何も設定せずに自動でブーストかかってるゲーマーの方がパーツへのダメージはあるかもしれない
AMDとNVIDIAが味しめてマイニング効率抜群の4000シリーズを発売してブーム再熱しない事を祈ってる3000シリーズを見送ったゲーミングおじさんが通りますよ
ゲームでガチ回されて熱々〜ゲーム終わって電源切って冷え冷え
を繰り返すゲーミング用途より
最大電力効率でリミッターかけてずっと定常運転
の近代的マイニングの方がダメージ少なそう