M3 MacBook Airは閉じた状態で長時間の負荷をかけると性能が半減。天板側から放熱できないため?
Appleでは3月に新しいMacBook Airを発表し、Apple M3を搭載したほか蓋を閉じたクラムシェルモードで外部モニターを2台接続することができるようになりました。
これによりクラムシェルモードでは高解像度なモニターを2台使っての作業などができるようになりましたが、どうやらこのクラムシェルモードを使った状態で負荷がかかる作業を行うとパフォーマンスがワーストケースで半減してしまう事がMax Techと呼ばれるYoutubeチャンネルの検証で明らかになりました。
M3搭載のMacBook Airについては上位モデルのMacBook Proと同じプロセッサを搭載しているためピーク時の性能は両者共にほぼ同等ですが、MacBook Airではファンレス設計であるため長時間の作業では放熱が間に合わずサーマルスロットリングにより性能に制約を受けます。
システムの性能のほかに放熱性能も求められる3DMark Wild LifeストレステストにおいてMacBook Proは1回目のベンチマークから20回目のベンチマークまで同じぐらいの性能を出すことができ、最高8090、最低7933ポイントとコンスタントに性能が出せています。
一方で、M3 MacBook Airでは1回目のベンチマークはMacBook Pro並みの8083ポイントを出せていますが、回数を重ねるごとに性能が落ちて行き、最低スコアは5916ポイントとサーマルスロットリングによりピーク時に対して7割の性能しか発揮されていません。
しかし、MaxTechではクラムシェルモードでストレステストを行うと最初は8058ポイントと同等スコアを出せていますが、19回目のテストでは4198ポイントを記録し、ピーク時に対してほぼ半分の52.1%のスコアを記録してしまう事が明らかにしています。
MaxTechではM3 MaxBook AirのSoC温度が最大114℃、本体外側の温度は最大45℃に達しているなど発熱がM2プロセッサに比べて高い事が過去の動画でも明らかにしています。
M3含むMacBook Airはファンレス設計かつ筐体がアルミで製造されているためキーボードの天板含め本体側のシャシ全体で冷却する設計になっています。しかし、クラムシェルモードで利用することでキーボードの天板側からの放熱が困難となってしまい結果的に蓋を開けて使用する状態に比べて大幅な性能低下に見舞われてしまうようです。
ただし、MacBook Airの裏蓋を取り外し、サーマルパッドを挟み込むことでサーマルスロットリングを抑え、ピーク時の8割程度まで性能を上げることができ、さらにクラムシェルモード時には背面を冷却するスタンドを利用することでMacBook Proと同等のパフォーマンス持続力を持つようにできるとのことです。
クラムシェルモードでは2画面出力も可能な事から負荷がかかる作業を行うケースも多いと考えられます。そんな中で性能が大きく落ちるというのは用途によっては致命的と言えます。ですので、動画編集など長時間負荷がかかる作業を行う場合は冷却ファンが搭載されているMacBook Proを買うか、冷却スタンドを買うなどが必要となりそうです。
個人的にそもそもMacBook AirにMacBook Pro並みの性能を求めている人はあまりおらず、M1でも大多数のニーズは満たせそうです。ですので、ここまで激しくサーマルスロットリングするなら無理にM3 MacBook Airは買わず、少し安いM2 MacBook Airを買ったほうが良いかもしれません。(理想は価格を12万円ぐらいで売っていたM1 MacBook Airなんですけどもう販売はされていないんですよね)
Making my M3 MacBook Air FASTER than M3 14″ Pro! | Youtube MaxTech
コメント
コメント一覧 (2件)
MBAにMBPほどのパフォーマンスを求められてないのは完全同意として、
前モデルでもファンレスの限界みたいな話あったのに、
ボトム蓋とサーマルパッドで接続程度の対策もしなかったかーと思ってしまう。
膝上おいて使う時の不快感を避けてるのかな?
恐らく膝上で使う時の不快感や安全性だと思います。
あまりにも温度が高すぎると北米だと火傷したとかで訴訟起こされたりもするので