手から奪われたiPhoneを自動でロックする盗難対策の機能をAppleが開発しており、iOS 27.2 beta 2のコードから、盗難を疑う5つの信号と、誤ってロックしないための仕組みが導入されることが明らかになりました。ただし、beta 2では実際にロックする部分が無効になっており、まだ使えません。
ロック解除中の盗難に備え、急な加速やApple Watchとの切断など5つの信号で判定
iPhoneにはiOS 17.3から「盗難デバイスの保護」という機能があり、自宅や職場などの「よく知っている場所」から離れているときは、保存したパスワードやクレジットカードを使うのにFace ID/Touch IDが必要になります。パスコードでは代わりにならず、Apple Accountのパスワード変更なども1時間待ったうえで再度の生体認証が求められるため、パスコードまで知られてiPhoneを盗まれても、アカウントやデバイスに重要な変更は加えられません。
ただ、盗難デバイスの保護が守るのはこうした一部の操作だけで、画面をロックする機能ではありません。そのため、ロックを解除したまま手から奪われると、画面が自動でロックされるまでの間は、開いているアプリや情報に触れられてしまいます。
そんな中、iOS 27.2 beta 2には、手から奪われたことを検知してiPhoneを自動でロックする機能のコードが含まれており、社内で「AutoLock」と呼ばれるこの機能は、次の5つを盗難を疑う信号として使うとのことです。
- 手から奪われたときのような急な加速
- ペアリングしたApple Watchが一定時間応答しない状態
- ペアリングしたApple Watchとの接続切れ
- 長時間のネットワーク切断
- 一定時間を超えてロック解除されたままの状態
このうち最後の信号は、iPhoneに以前からある「自動ロック」と似ていますが、自動ロックは操作しないまま30秒〜5分の間で設定した時間がたつと画面をロックするため、奪った人が操作を続けている限りロックはかかりません。AutoLockはロック解除されたままの時間を判定に使うため、既存の自動ロックでは防げないこの状況を補う信号とみられます。
誤ったロックは生体認証などで取り消し。beta 2ではロックする部分が無効
一方で、盗難を疑う信号が出ても必ずロックされるわけではなく、生体認証に成功したときや、よく知っている場所にいるとき、盗難の兆候と取り違えやすい一部のアプリを使っているときは、そのロックを取り消せるとのことです。また、ロックが繰り返されたあとは、一時的に自動でロックしないようにもなっています。
ただし、現在配信中のbeta 2では盗難を判定する部分がバックグラウンドで動いているものの、iPhoneを実際にロックする部分は無効のままで、設定にも項目がないため、ユーザーはまだ使えません。ロックする部分だけを無効にしているのは、ロックさせずに判定の動きを確かめるためではないかとされています。Appleはこの機能を発表していないため、提供時期や対応機種、Apple Watchが必要かどうか、日本で使えるかどうかも分かっていません。
この機能が完全に実装されれば、よく知らない場所で奪われたと判断したときは自動でロックしたうえで、盗難デバイスの保護の対象になっている操作も制限するとされています。日本ではiPhoneのひったくりなどは稀にしか起きませんが、海外などでは高額で転売できるiPhoneはひったくりで狙われやすいため、万が一外出先でロックを解除したままiPhoneが奪われても、盗難デバイスの保護では守れなかった開いているアプリや情報も守られるようになり、セキュリティーが向上すると考えられます。


