Intelの次世代サーバー向けCPU『Granite Rapids』はキャッシュ容量が大幅増。EPYCに対抗へ
Intelは2024年下半期を目途にサーバー・データセンター向け製品Xeonの最新鋭モデル、Granite Rapidsを投入予定ですが、Intelが公開したSoftware Development Emulator (SDE 9.33.0)からこのGranite Rapidsに搭載されるL3キャッシュの容量が判明しました。
According to #Intel SDE 9.33.0, the L3-cache in #GraniteRapids increases to 480MB which is 1.5 times 320MB of #EmeraldRapids https://t.co/8dQo4RyWZN pic.twitter.com/jJw0zDCsVB
— InstLatX64 (@InstLatX64) January 20, 2024
SDEによると、Granite Rapidsでは合計480MBのL3キャッシュを搭載するとのことで、先代のEmerald Rapidsの320MBから1.5倍の容量に増えます。また、AMDのZen4搭載EPYC Genoaや2024年に投入されるZen 5搭載EPYC Turin Classicの384MBを25%上回る計算になります。
Granite RapidsにはMeteor LakeのP-Coreに採用されているRedwood Coveアーキテクチャーが内蔵されており、1コアあたりL2キャッシュが2MB内蔵されています。これを128コア搭載するため、L2キャッシュで256MB、L3キャッシュで480MBと言うことでCPU合計で736MBのキャッシュ容量を持つことになります。
AMDのZen4搭載EPYC GenoaはL2キャッシュが各コア1MBで最大96コアであるため合計で480MB、Zen5搭載のEPYC Turin Classicも同じキャッシュ構成でコア数が128コアに増えているため合計512MBであるためGranite Rapidsはキャッシュ容量の観点ではAMDを超えた構成になっています。
なお、3D V-Cache内蔵のEPYC Genoa-XはL3キャッシュが1152MBと圧倒的ですが、Intelも3Dスタッキング技術を使ったGranite Rapidsを計画しているとも言われていますのでこのGranite Rapidsをキッカケにサーバー向けでシェアを奪われていたIntelは巻き返しを図れるかもしれません。
ただ、これは導入から稼働含めたTCOにおいてAMDに対して優位性があるかが鍵となりますが、スペックだけ見るとAMDにとっては脅威となり得ると言えそうです。
コメント
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なお容量は超えても肝心の性能はAMDを超えられない模様