『Zen3』アーキテクチャーとを搭載するサーバーおよびワークステーション向けCPUであるEPYC Milanですが、Dellカナダのサイトで『EPYC 7XX3』の価格情報の一部が掲載されました。
SP3ソケット採用で互換性あり。最大64コア128スレッド
EPYC MilanはRyzen 5000シリーズで採用されている『Zen3』アーキテクチャーを搭載するサーバーおよびワークステーション向けCPUとなります。製品ラインアップは、8コアを搭載するCCDを最大で8個搭載する64コア構成で『現行のEPYC Romeと同じ構成ではありますが、『Zen3』の高いシングルコア性能により同じ64コアでもより高いパフォーマンスを発揮する事が予測されています。
EPYC Milanの対応ソケットはSP3から変更が無く、一部の既存マザーボードでもBIOSアップデートを通じて動作が可能と見られます。
EPYC RomeとMilanの価格差は小さい模様
今回、判明したBTO構成の価格はカナダDellに掲載されていたPowerEdge R6525のBTO画面から判明しています。本来、隠すべきEPYC MilanのCPUの一部(3モデル)が選択可能となっていた模様です。
*ここで示す日本円は1ドル105円、カナダドル(CAD)は83円又は0.8ドルで計算しています。
なお、このBTO構成ですがベースとなるCPUはEPYC 7262で8コア16スレッド、L3キャッシュを128MB搭載したモデルとなります。単品で買うと$575(約6万円)前半のCPUです。
まずは、64コア128スレッドで2.45GHz~3.50GHzで動作するEPYC 7763です。こちらはEPYC Milanの中で最高モデルとなるCPUでTDPは280Wのモデルで、BTOで選択すると+8069.69CAD(約67万円)となっています。
この価格は現行のEPYC Romeで同等モデルに当たるEPYC 7742では+9705.10CAD(約80万円)と設定されており、20万円以上も安くなっています。
次が、64コア128スレッドで2.0GHz~3.7GHzで動作するEPYC 7713です。こちらはEPYC 7763に比べてTDPは225Wと低くなっています。EPYC 7713をBTOで選択すると7093.69CAD(約59万円)となっており、近いと思われるEPYC 7702の8936.50CAD(約74万)に比べて20万円近く安くなっています。
最後が、32コア64スレッドのEPYC 7543で2.80GHz~3.70GHzで動作するTDP 225WのCPUです。こちらは+2579.69CAD(約21万円)で選択可能となっており、現行EPYC Romeで近いモデルであるEPYC 7542の3214.70CAD(約27万円)に対して6万円程安い設定となっています。
DellカナダのBTO構成では、最新のEPYC Milanに対して現行のEPYC Romeより安いという設定となっています。これは、もしかしたら正式な情報ではなく仮の価格が入力されている可能性も否定できませんので、ここで紹介する価格はあくまで参考程度に捉えておく方が良さそうです。ただ、もしこの価格が事実だとすればサーバーやワークステーション用途でEPYCを採用する顧客は更に増えると考えられます。
サーバー、ワークステーション向けは利益率が非常に高くAMDの成長ドライバーでもありますので、intelが2021年前半にも『Ice Lake-SP』を投入することから対抗の意味合いも兼ねて、強気な価格設定は十分考えられます。
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