AMD EPYC 『Milan』のラインアップとベンチマークが出現

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AMDの『Zen3』アーキテクチャーを搭載したサーバー向けCPUであるEPYCのリリースは2021年上半期中とされていますが、そのラインアップと仕様そして、Rome世代とのベンチマーク比較が出現しました。

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目次

『Zen3』EPYCのラインアップ、仕様、ベンチマーク出現

『Zen3』搭載EPYCは2021年上半期中のリリースが予定されていますが、ExecutableFix氏によってその詳細情報が判明しました。今回判明した情報は製品の最終段階に近いものとなっています。

ラインアップ コア数 /
スレッド数
ベースクロック ブーストクロック L3 キャッシュ L2 キャッシュ TDP
AMD EPYC 7763 64 / 128 2.45 GHz 3.50 GHz 256 MB 32 MB 280W
AMD EPYC 7663 TBA TBA TBA TBA TBA TBA
AMD EPYC 7713 64 / 128 2.00 GHz 3.70 GHz 256 MB 32 MB 225W
AMD EPYC 75F3 32 / 64 2.95 GHz 4.00 GHz 256 MB 32 MB 280W
AMD EPYC 7443 TBA TBA TBA TBA TBA TBA
AMD EPYC 74F3 24 / 48? TBA TBA TBA TBA TBA
AMD EPYC 7413 24 / 48 2.65 GHz 3.60 GHz 128 MB 16 MB 180W
AMD EPYC 7313 16 / 32 3.00 GHz 3.70 GHz 128 MB 16 MB 155W
AMD EPYC 72F3 TBA TBA TBA TBA TBA TBA

EPYC 64コア CPU


EPYC 7763とEPYC 7713はEPYCシリーズの中で64コア・128スレッドを搭載し、256MBのL3キャッシュと32MBのL2キャッシュを持つCPUとなっています。EPYC 7763ではベースが2.45GHz、ブーストが3.5GHzでTDPが280W、EPYC 7713ではベース2.0GHz、ブーストが3.7GHzでTDPが225Wとなっています。

L3キャッシュは『Zen3』アーキテクチャーの特徴でもあるCCD内にあるすべてのコアからアクセス可能な設計となっており各CCDには32MBのL3キャッシュを搭載している設計となっています。

EPYC 32コア CPU

32コア・64スレッドを搭載するEPYC 75F3では、ベースが2.95GHz、ブーストが4.0GHzとなっておりTDPは64コア EPYC 7763と同じく280Wとなっています。L3キャッシュは256MBとなっているため、8コアが有効なCCDを4つ搭載しているものと考えられます。

EPYC 24コア以下のCPU

確定しているラインアップとして、下位モデルのEPYC 7413とEPYC 7313の仕様が判明しています。EPYC 7413では24コア搭載し、ベースは2.65GHz、ブースト3.6GHzでTPDは180Wとなっています。
EPYC 7313では、16コア搭載し、ベースは3GHz、ブースト3.7GHzでTDPは155Wになっています。
この2つのCPUではL3キャッシュが128MBになっておりCCDを2つ搭載しています。それぞれ、24コア版では12コア有効なCCDを2つ、16コアでは8コア有効なCCDが2つとなっています。

一方で、未確認なラインアップとして74F3や72F3、7443と7663がありますがこれについて詳細な仕様はまだ判明していないようです。

『Zen3』EPYC 64コア vs 『Zen 2』EPYC 64コアのベンチマーク

今回ラインアップと共に『Zen3』搭載のEPYCと『Zen 2』搭載EPYCを比較したベンチマークが掲載されています。

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1枚目は、IPCを計測するためにそれぞれを2.4GHzに設定し、シングルコア性能を計測
2枚目は、性能制限はせずにシングルコア性能を計測
3枚目は、性能制限をせずに、マルチコア性能を計測しています。
結果は、1枚目のIPC計測では『Zen3』は『Zen 2』EPYCに対して平均14%の性能向上が記録されています。2枚目のシングルコア性能では高いクロック周波数によって平均27%の向上、3枚目のマルチコア性能では平均10%の向上になっています。

また、Cinebench R23の計測結果も掲載されており、ここでは87878ptを獲得しており、比較として『Zen 2』を64コア搭載するThreadripper 3990Xに対しては約18%、IntelのCascade Lake-SP Xeon 8280L Platinumに対しては約76%高いスコアとなっています。

 

AMDではサーバー向けEPYCの売上高が伸びでいる事は決算発表でも明らかになっています。この『Zen3』搭載EPYCではより高いブーストクロックと『Zen3』アーキテクチャー採用により、シングルコア性能は27%、マルチコアが10%ほど向上しており、2021年も高い需要が予測されます。
サーバー向けではIntelが最大36コアまで搭載し、IPCがCascade Lake-SPより18%向上した『Ice Lake-SP』を『Zen3』EPYCの対抗として用意していますが今回のベンチマークと『Ice-Lake-SP』で判明している性能を鑑みると性能面ではEPYCに軍配が上がりそうです。

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
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