Intel Arrow Lakeの電力設定が判明。PL2は最大295Wに増加

本記事は広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
  • URLをコピーしました!
目次

Intel Arrow Lakeの電力設定が判明。最大295WのPL2値を検討中

Intelは、デスクトップ向けに投入するArrow LakeからソケットタイプをLGA1700からLGA1851に変更する予定です。これにより、Raptor Lakeなどで使用されていた電力設定も変更されると予測されます。今回のリークにより、開発中のPL1、PL2、PL4といったCPUの電力設定が明らかになりました。

近く登場が予定されているArrow Lakeのデスクトップ向けCPUのラインナップは、ハイエンドの8P+16E構成のCore Ultra 9、8P+12E構成のCore Ultra 7、6P+8E構成のCore Ultra 5の3つの構成が用意されています。電力設定は各構成によって異なるほか、Raptor Lakeの不具合後に導入されたBaseline、Performance、Extremeといった設定も継続して使用される見込みです。

スクロールできます
Arrow Lake8P+16E 125W8P+12E 125W6P+8E 125W6P+8E 65W6P+4E 65W
プロファイルBaselinePerformanceExtremeBaselinePerformanceBaselinePerformanceBaselinePerformanceBaselinePerformance
PL112512512512512512512565656565
PL21772502951772501251598412184121
参考:Raptor Lakeシリーズの電力設定
スクロールできます
Raptor Lake-S8P+16E 125W8P+12E 125W6P+8E 125W6P+8E 65W6P+4E 65W
プロファイルBaselinePerformanceExtremeBaselinePerformanceBaselinePerformanceDefaultDefault
PL11252532531252531251886565
PL2188253253188253143188154148

Arrow Lake-Sの最上位モデルであるCore Ultra 9 285Kでは、電力設定においてPL1がすべてのプロファイルで125Wに設定されています。現行のRaptor Lakeと比較すると、PerformanceおよびExtremeプロファイルでは電力量が抑えられています。また、PL2についても、Baselineでは最大177W、Performanceでは250Wと、こちらもRaptor Lakeよりわずかに低く設定されています。しかし、ExtremeプロファイルではPL2が295Wに設定されており、Raptor Lakeの253Wを約17%上回る電力となっています。

8P+12E構成のCore Ultra 7や6P+8E構成のCore Ultra 5などのモデルでは、PL1はRaptor Lakeから据え置かれていますが、PL2は全体的に下がっており、これにより消費電力の低減やCPU温度の低下が期待できる設定となっています。

65WのTDPで動作するモデルに関しては、PL2値が最も大きく引き下げられており、Baselineでは最大84W、Performanceでも最大121Wに設定されています。これは、Raptor Lakeで見られた最大154WのPL2から約20%の削減となります。

Arrow Lakeに関しては、CPUの最大許容温度であるTjmax値が、Raptor Lake系で設定されていた100℃から最大105℃に引き上げられることになっています。そのため、Core Ultra 9などのハイエンドモデルでは、Raptor Lakeよりも高い電力設定と温度で動作し、より高い性能を発揮することが予想されます。

コメント

Arrow Lake-Sでは、現行のRaptor Lake-Sに対して電力効率に優れたアーキテクチャーが採用されるため、消費電力の低下が期待されていました。しかし、Core Ultra 9などのハイエンドモデルでは、性能を重視する場合、むしろ消費電力が増加する方向に進んでいるようです。このため、性能を追求する際には、消費電力やCPU温度の低減についてはあまり期待できないかもしれません。

この高い電力設定に関しては、Raptor Lakeで発生した不具合を受けて、Intelは耐久性についても慎重に検証を行うと考えられます。しかし、耐久性よりも、性能を犠牲にして省電力化を進めるAMDに対して、電力を最大限に引き上げるIntelがどのように評価されるかが注目されます。

一方、電力消費が増加したCore Ultra 9とは対照的に、Core Ultra 5などのミドルレンジモデルではPL2が大幅に引き下げられていることから、消費電力とCPU温度の低減が期待できます。このため、Core Ultra 9は高電力志向、Core Ultra 7は中間、Core Ultra 5以下は低電力志向と、製品ごとに明確な棲み分けが行われていると言えるでしょう。

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
プロフィールはこちら

コメント

コメントする

目次