Intel Arrow LakeはすべてTSMC 3nmで製造へ。Intel 20Aは開発遅延。

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Intel 第15世代CPU(第2世代 Core Ultra)のArrow LakeはすべてTSMC 3nmで製造に。Intel 20Aプロセスは開発遅延している模様

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Intelでは2023年に発売するノートPC向けのMeteor Lakeとデスクトップ向けのRaptor Lake Refreshの後継モデルとして2024年には第2世代Core Ultraシリーズ(従来で言う第15世代)としてArrow Lake CPUの投入を予定しています。このArrow LakeではMeteor Lakeで採用されているタイルアーキテクチャーとE-CoreのCrestmontを踏襲しながら、P-Core側はLion Coveと呼ばれる新アーキテクチャーを採用するとともに内蔵GPUはArc Celestial世代を採用し、最大192基のExecution Unitを搭載するなど大幅強化される見込みになっています。

また、製造プロセスについてはIntelの最先端プロセスであるIntel 20Aが採用されると見られていましたが、どうやらこのIntel 20Aプロセスについて『また』開発遅延が発生しているようでArrow LakeについてはすべてTSMC 3nmを採用して製造が行われる可能性が出ているようです。

CPU関係のリーカーである@xinoassasin1氏によると、Intel 20Aについては開発が遅れているようでこのArrow LakeでIntel 20Aを採用する計画は白紙となり、TSMC 3nm系列であるN3Bプロセスが使われる見通しとの事です。

IntelがArrow LakeでIntel 20Aを不採用とする話は中国の著名なリーカーであるGolden Pig Upgrade氏からも出ており『もう二度とIntelのロードマップは信じない』とコメントと共にIntel 20Aにバツが付けられた画像が投稿されています。

IntelのプロセスについてはMeteor Lakeで採用されるIntel 4とファウンドリー事業向けに開発中のIntel 3、そしてIntel 20AとIntel 18Aが続くのですが、まもなく登場するMeteor Lakeで採用されるIntel 4は問題はないと見られていますが、ファウンドリー事業向けのIntel 3についてはテスラやQualcommが技術的な問題があるとして採用をキャンセルしたという噂が出ています。また、Intel 20Aについても今回のArrow Lakeで採用が中止されたという話が出る前に、Intel 20A自体がArrow Lakeの中でエントリーレベルのCPUのみで採用されるなど技術的な問題に直面している事が示唆されていました。

ただ、不思議なのはTSMC N3Bの採用です。TSMC N3Bは2023年から発売されるAppleのiPhone 15やM3 SoCなどのためにほぼすべて使われる予定で、2024年からTSMC 3nmで製造を行うNVIDIAやAMD、QualcommなどはN3Bより高い歩留りと性能を持つN3Eが使われる予定となっています。IntelのArrow Lakeについては2024年の後半に登場が見込まれているため、順当に行けばN3Eを使うのがコスト的にも、性能的にも理に適うように見えるのですがリーク通りN3Bを採用するとなると、単純にAppleがN3Eに移ったため製造枠が安かったのか、急遽TSMC 3nmでの製造量を増やす必要に駆られてしまい、N3Eの枠が無く、妥協してN3Bを使っているのかのどちらかであると考えられそうです。

個人的に、Intelの新プロセスについては10nm(のちにIntel 7)から始まり、Intel 4、Intel 3、そしてIntel 20Aとすべてで遅延が発生しておりIntelの先端プロセス開発に関して何かしら大きな問題を抱えていると感じる所です。特にIntel 7に関してはサーバー・データセンター向け製品のSapphire Rapidsが2~3年遅れるなどIntelの収益にも致命傷を与えています。

Intel 20AについてはTSMCに打ち勝つ一歩手前のプロセスでもあると期待されてはいると共にこれらを採用するArrow LakeはAMDが力を入れ始めているノートPC向けAPUに対抗する製品の一つでもあります。このArrow LakeがTSMC 3nmを採用するとなると予定通り製品を出せる点は良いのですが、そもそも自社Fabでの製造を目論んでいたのであれば設備投資や研究開発費などの回収が難しくなり収益にも悪影響を与える事が懸念されます。また、さらに問題がIntel 20Aの次のプロセスであるIntel 18Aの進捗です。

Intel 18Aは2025年頃に登場が予定されているClearwater Forestと呼ばれるSierra Forestの後継やGranite Rapidsの後継のサーバー・データセンター向けCPUが採用すると見られているのですが、一つ前のIntel 20AがコケてしまえばこれらのCPUでは性能や仕様の引き下げなどが必要となり稼ぎ頭であるはずのサーバー・データセンター向け製品ではAMDやArm系CPUによってさらにシェアを落とすなど経営に大きな打撃を与える可能性も考えられます。

頑張ってIntel・・・

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
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コメント

コメント一覧 (1件)

  • 次世代CPUインフレまっしぐら
    もう少しゆっくり進化してもいいのよ?

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