Apple M4のベンチマークスコアが高かった理由はARMv9化? IPCはM3から3%向上に留まる可能性

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Apple M4のベンチマークスコアが高かった理由はARMv9化? IPCはM3から3%向上に留まる可能性

Appleが発表した新型iPad Proでは同社が開発した新しいプロセッサのApple M4を搭載し、発売前に登場したGeekbench 6のベンチマークでは同社のM3を20%以上超える性能を実現し、エンタープライズ向け製品であるM2 Max搭載のMac Studioにも迫るなど非常に高い性能を持つことが明らかになっていますが、この非常に高いスコアの背景にはM4では従来まで使われていたARMv8からARMv9を採用したことが大きな要因になっている可能性があるようです。

AppleのMシリーズは今までARMv8アーキテクチャーをベースに作られていましたが、Apple M4からはARMv9アーキテクチャーへ変更され、命令セットとしてSME/SVE2と言ったより複雑なワークロードを効率的に処理することが可能になっています。

そんなM4で計測されたベンチマーク結果はシングルコア性能ではM3 Maxを超え、マルチコアではM2 Maxに迫るなど非常に高い性能であることが話題になっています。

しかし、Geekbench 6でApple M4およびApple M3 Maxそれぞれで記録されたベンチマークの詳細情報を見てみると、Object DetectionでM4はM3 Maxに対して106.1%、Background Blurで28.3%と大幅なスコア向上を記録していますが、それ以外の処理では3~10%程度向上が大多数を占めている状態になっていることを指摘する声があります。

このObject DetectionおよびBackground Blurを含めた状態では、M3からM4へのIPC向上は7.6%と大きめなのですが、この2つを除いた状態では3.0%とかなり小さくなり性能向上のほとんどは動作クロックの向上によるものになっています。

このSMEなどは主に機械学習処理などで用いられる命令になっていますが、多くのアプリケーションは機械学習などの処理はGPUやNeural EngineなどNPUで処理をした方が効率的で、CPU側にこれらのワークロードを割り当てるケースはかなり少ないです。実際に、Geekbenchの検証項目に入っていたObject DetectionやBackground BlurもMicrosoft TeamsやZoomなどではGPUやNPUに処理をさせるものになっています。そのため、Geekbench 6で非常に高いスコアを記録したApple M4について動画のエンコードやレンダリングと言った処理性能についてはM3に対して動作クロック向上分の性能向上しか期待できない可能性があるようです。

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AppleのM4はM3登場から1年も経たずに投入と言う事で、マイナーチェンジ版であると見られていましたが、ARMv9化されるなど変更規模は小さくないものの、新しい命令セット以外の部分ではあまり大きな性能向上が見られていないため、ユーザーが使うアプリによってはM4に変わったからと何か変化を感じる事は少ないかもしれません。

個人的にはAppleのiPad ProはもうiPad OSをやめてMac OSにどうにかして移ってほしいところなのですが、タッチスクリーン対応などでまだまだ迷っているのでしょうかね

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
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コメント

コメント一覧 (1件)

  • iPadはそろそろmacOSも対応して切り替え可能にならないかな

    小さいMacBookが欲しいので

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