AMDではソケットAM5対応するZen 4 CPUを2022年秋以降に発売を予定していますが、その前世代ソケットにあたるソケットAM4をまだまだ活用する方針のようです。そのため、AMDではソケットAM4向けに3D V-Cacheを搭載した新しいCPUやローエンドCPUの発売を計画しているようです。
6年目を迎えるソケットAM4
AMDのソケットAM4は2016年9月に発売が開始されたZenアーキテクチャー CPUから登場したCPUソケットで、Zen+、Zen 2、Zen3と4世代間での互換性を持つ長寿なCPUソケットとなっています。
そんな、ソケットAM4ですが、DDR5やPCIe Gen 5.0に対応するZen 4 CPUが登場するタイミングで新しいソケットAM5が登場し、ソケットAM4はフェードアウトしていくと思われていましたが、AMD自身が今後もソケットAM4を活用すると表明、実際にソケットAM4に対応したZen 4 CPUが出現するというリークが出現するなどしていました。
今回これに関連して、ソケットAM4向けにZen3 V-Cacheやローエンドモデルが新たに計画されているというリークが出現しました。
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ソケットAM4向けに新しい3D V-Cache搭載モデルとローエンドモデルが計画中?
There will also be new low-end AM4 products in the future.
— Greymon55 (@greymon55) June 28, 2022
Greymon55氏によると、AMDでは複数の3D V-Cacheを搭載したZen3モデルを計画中のようで、もしこれが市販化されるのであれば7月~8月頃により詳しい情報が出現するとの事です。
また、これに関連してローエンド向けCPUもAM4向けに計画がされているようです。
3D V-Cacheを搭載するZen3については、現時点ではCCDを1基搭載するRyzen 7 5800X3Dのみ登場していますが、2021年のCOMPUTEX 2021で3D V-Cacheの技術デモを行った際にはCCDを2基搭載したRyzen 9 5900XがベースのCPUが登場しています。そのため、3D V-Cacheとして追加されるモデルはRyzen 9 5900XやRyzen 9 5950XなどCCDを2基搭載したモデルである可能性があります。
ただ、Moore’s Law is DeadではAMDでは3D V-CacheについてはEPYC Milan-Xの生産が間に合っていない状態で利潤の薄いコンシューマー向けにより多くの3D V-Cacheを必要とするモデルを追加する事は困難な事やRyzen 9 5950X3Dとなると性能面でRyzen 7000シリーズの一部モデルと被る事も考えられます。そのため、もしかしたら、Ryzen 5 5600Xを3D V-Cache化し、コストパフォーマンス重視のモデルを投入する可能性もあります。
ローエンド向けCPUに関しては、2022年3月頃にRyzen 3 5100に関するリークが出現していましたが、このCPUである可能性があります。Ryzen 3 5100はモバイル向けのCezanneがベースのCPUで4コア8スレッド、キャッシュは16MBと控えめなスペックとなっていますが、Intel Core i3-12100に対抗するには十分な性能を有していると見られており、ローエンドとして廉価に登場すれば人気が出そうなCPUになるかもしれません。
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AMDではソケットAM5は少なくともDDR5が普及するまではハイエンド向け専用モデルとするようで、エントリーからミドルレンジ、アッパーミドルレンジ向けまではしばらくの間はソケットAM4向けに発売すると見られています。
特にAMDではIntel Core i3-12100に対抗できるローエンドモデルが無く、Ryzen 3 5100など価格が安いZen3については多くのユーザーが待ち望んでいるため発売されれば安いソケットAM4マザーボードと組み合わせた構成の人気が出そうです。また、Ryzen 5 5600X3Dなどミドルレンジ向けモデルを3D V-Cache化するとなればミドルレンジ向けのゲーミングPCでは多くのシェアを取る事が可能とも考えられるため、是非とも発売をして欲しい所です。
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