AMD Zen 6 搭載 EPYC は最大256コア搭載。消費電力は最大600W
AMDは2026年にZen 6アーキテクチャーを搭載したコンシューマー向けCPUのRyzenならびにサーバー・データセンター向け製品を市場投入すると言われていますが、今回この中でサーバー・データセンター向け製品のEPYCにZen 6を搭載したコードネーム『Venice』の驚異的とも言えるべきスペックがリーク情報として登場しています。

中国のBaiduに投稿された情報によると、AMDのEPYC VeniceはCCDを8基備える構成となる見込みとのことです。これは現行のZen 5を搭載するEPYC Turinの12基から減らされていますが、各CCDの構成が大きく刷新されています。
CCDは現行のZen 5世代と同じく通常版(無印)と多コア版(C)の2種類が存在し、Zen 6の通常版はCCD1基あたり12コアを内蔵する一方で、多コア版のZen 6CはCCD1基あたり32コアとZen 5Cの16コアから2倍に増えています。また、各CCDに内蔵されるL3キャッシュは3D V-Cacheを備えない状態でZen 6は48MB、Zen 6C版は128MBに達することも明らかにされています。
この構成により、通常版のZen 6 EPYCではコア数はZen 5と同じく96コアでL3キャッシュは384 MBと現行のZen 5と同じキャッシュ容量となるなどあまり大きな変更がありませんが、多コア化に振ったZen 6Cを備えるEPYCはコア数が256コアとなり、Zen 5C EPYCの192コアから1.3倍に増加するなどサーバー・データセンター向け用途で圧倒的な性能を発揮すると予測されています。
ただし、これだけの多コア化が行われることから消費電力は増える見込みで、エントリー向けEPYCに対応するソケットSP8向けEPYCは最大350~400Wの消費電力になる一方で、最大256コアまで対応するハイエンドEPYC向けのソケットSP7で登場するCPUは最大600Wの消費電力になる見込みで、これは現行のZen 5 EPYCの最上位モデルの500Wからさらに20%の消費電力増となります。
しかし、CPUの消費電力は上がっても多コア化や性能向上も図られているため、データセンター向けで運用される上で重要視される導入から運用、廃棄までのコストを示すTCO(Total Cost of Ownership)も優れたものになると考えられるため、サーバー・データセンター向けにおいてさらにシェアを伸長する可能性がありそうです。
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コメント
コメント一覧 (1件)
256コア全部にフルロードをかけた時の最大ブーストクロックの情報待ちだが、Zen5 Ryzen 9 9950Xが16コアでデフォルトTDPが170Wである事を考えると、コア当たりの消費電力が大幅に向上しているといった感じ。
先月末からAMDの株価は回復してきたもののマイクロンやブロードコム程ではないので、Zen6 EPYCを大量受注に結びつけてもらいたい。