AMDのARMチップ Sound Wave APU のスペックなどがリーク。エントリーモデルとしてRDNA 3.5改良版を搭載。
ARMチップセットを搭載するWindowsなどのPCはQualcommがSnapdragon Xシリーズを2024年に発売したものの、あまり普及はしておらずここ最近WindowsにARMを搭載したPCの話題はあまり出ていません。しかし、今後QualcommはSnapdragon X Gen 2の投入を予定しているほか、NVIDIAとMediaTekもARMチップセットの開発を行っていると言われるなど近い将来Windows on ARMはよりメジャーになってくる可能性もあります。そのため、AMDはそんな時代に備えてかARMアーキテクチャーベースのAPUであるSound Wave APUの開発を2026年投入で進めていると言われていますが、今回このSound Wave APUの一部スペック情報がリークとして登場しました。

Sound Wave APUに関しては2024年5月に一部情報がリークされていましたが、その時に明らかにされていた情報はCPUにARMアーキテクチャーを使い、NPU性能が非常に高く、2026年に投入予定で開発が進められているという情報に留まっていました。しかし、今回Moore’s Law is Deadがスペックや一部アーキテクチャーに関する情報を入手したようです。
リークによると、Sound Wave APUは既にテープアウト済みでTSMC 3nmプロセスを活用して製造される製品となり、TDPは5~10Wと低くなっており、現行のMendocinoの後継モデルとして投入されるとのことです。そのため、このAPUはChromebookなど低価格帯製品をターゲットとしており、ハイエンドモデルをターゲットとしているQualcommとは異なっています。
スペックはCPU側はP-Coreを2コアとE-Coreを4コアの合計6コア構成となり、L3キャッシュを合計4MB備えるなどMendocino後継モデルと言うこともあり、性能はかなり抑えられています。
内蔵GPUはRDNA 3.5アーキテクチャーの改良版で構成されるCompute Unitを4コア搭載する見込みで、RDNA 3.5に対して機械学習性能や新しいメディアエンジンなどを搭載するとのことです。この機械学習性能についてはFP8に対応していればFSR4の動作も考えられますが、現時点でこの詳細は不明になっています。
メモリー系ではCPUとGPUの両方が利用できるMALLキャッシュ(Infinity Cache)も搭載する計画で容量は合計16MBとなっているほか、メモリーは128-bitでLPDDR5X-9600まで対応するメモリーコントローラを備えるなど帯域幅を確保した設計になっており、容量は標準で16GB搭載するほか、32GBなどの容量も想定されるようです。
このSound Wave APUに関しては主にエントリー向けモデルと言うことでスペックが抑えられた構成になっていますが、Qualcommがハイエンド向けにSnapdragon Xを出してもあまり成功していない点を見るとエントリー向けに投入することは決して悪い戦略ではないと考えられ、ARM市場においてどれほどプレゼンスを獲得できるのか、またAMD初のARMチップセットがどのような性能のものになるのか注目されます。
AMD Sound Wave spec leaks | Moore’s Law is Dead
コメント
コメント一覧 (1件)
AMDもArmアーキテクチャでCPUを作る様になったかと感慨深いです。AMD製品で低消費電力かつCPUとチップセットとグラフィックが統合された1チップ構成、ハイエンドではなくローエンド市場を想定した製品といえば過去に同じような市場を想定したAMD Geode LXがありましたね。UMPC全盛期になかなか面白い構成でした、今度はChromeBook市場をということですが既にAMDはChromeBook用Ryzen7000シリーズを販売していますが、今回の記事ではChromeBookでの採用を想定との事、Ryzen7000シリーズをChromeBookのハイエンド、Sound Wave APUシリーズをChromeBookのローエンドに据えるつもりですかね?それともChromeBook用CPUのRyzen7000シリーズを廃盤にしてSound Wave APUに絞り込むのか?AMDからの公式発表が楽しみです。