AMDがソケットAM4向けに新しいCPU「Ryzen 5 5500F」を追加しました。既存のRyzen 5 5500とは別のダイを使う製品で、PCIe 4.0にも対応します。
AM4登場から10年目、Ryzen 5 5500Fとは異なるダイ系統に
ソケットAM4は2016年9月に登場したプラットフォームで、後継のAM5が出たあともエントリー向けとして新CPUが不定期に足されてきました。直近1年でも2025年9月にRyzen 5 5600Fが追加され、2026年3月には5500X3Dの販売地域が中国へ拡大、4月には生産終了だった5800X3Dの再投入も明らかになっています。
追加が続く動機はDDR5価格の高騰にあるとみられ、2025年末にはAM4のCPUとマザーボードが販売ランキングの上位へ戻っており、手持ちのDDR4を流用できる構成を選ぶ人が増えています。

そのAM4に、AMDは2026年9月10日、Ryzen 5 5500Fを製品ラインアップに追加しました。6コア12スレッドで動作クロックは3.0〜4.4GHz、TDPは65Wで、CPUクーラーのWraith Stealthが付属します。販売地域は「Global」とされており、日本国内でも取り扱われる見通しです。
Ryzen 5 5500Fは5500と別のダイでPCIe 4.0に対応
| Ryzen 5 5500F | Ryzen 5 5500 | |
|---|---|---|
| コードネーム | Vermeer | Cezanne |
| コア/スレッド | 6コア / 12スレッド | 6コア / 12スレッド |
| ベースクロック | 3.0 GHz | 3.6 GHz |
| ブーストクロック | 4.4 GHz | 4.2 GHz |
| L2 / L3キャッシュ | 3 MB / 16 MB | 3 MB / 16 MB |
| ダイ構成 | CCD 74mm² + I/Oダイ 125mm²(2個) | 180mm²(1個) |
| PCIe | 4.0 (24レーン、使用可能20) | 3.0 (24レーン、使用可能20) |
| ECC | 対応 (マザーボード側の対応が必要) | 非対応 |
| TDP | 65W | 65W |
| 最大動作温度 | 95℃ | 90℃ |
| 発売時期 | 2026年9月10日 | 2022年4月4日 |
2022年4月発売のRyzen 5 5500がCezanneの1ダイ構成でPCIe 3.0、ECC非対応なのに対し、5500FはVermeerのCCDとI/Oダイを使った2ダイ構成で、PCIe 4.0とECCに対応します。ダイ構成やPCIe世代、ECC対応まで異なるため、5500の型番にFを足しただけの製品とは考えにくいところです。
クロックはブーストが4.2GHzから4.4GHzへ上がる一方で、ベースは3.6GHzから3.0GHzへ下がり、L3キャッシュは16MBのまま変わりません。AMDは価格を示していないものの、英国のScanでは5500Fが87.98ポンドで予約を受け付けており、在庫のある5500の74.99ポンドとの差は12.99ポンド(約2,700円)です。主な仕様上の違いはPCIe 4.0とECCへの対応、最大ブーストクロック200MHz分なので、手持ちのDDR4環境を延命する前提で6コアを選ぶなら、PCIe 4.0やECC対応を重視する場合は5500Fを選んだ方が良さそうです。
既存のAM4マザーはBIOS更新が必要
既存のAM4マザーボードで5500Fを動かすには、BIOS側の対応が必要です。ASUSはすでに複数のAM4マザーボードのCPUサポートリストに5500Fを追加しています。必要なBIOSバージョンは製品ごとに異なるため、購入前に手持ちのマザーボードのCPUサポートリストに5500Fが載っているかを確認しておいた方が良さそうです。
なお、AMDは同じ日にAM5向けのRyzen 5 7500も追加しています。こちらはRyzen 5 7500Fで無効化されていた内蔵GPUを有効にした構成で、CPU側の仕様は7500Fと同じです。
AMDはRyzen 5 5600Fの追加、Ryzen 5 5500X3Dの販売地域拡大、Ryzen 7 5800X3Dの再投入、そして今回のRyzen 5 5500Fと、登場から10年を迎えたAM4向け製品の展開を続けており、DDR4を使い続ける構成はもうしばらく延命できそうです。


