Intel 第12世代Core CPU『Alder Lake-S』最新情報まとめ

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Intelが2021年11月4日に発売が予定されている第12世代Core CPUのデスクトップ向けである『Alder Lake-S』の現在判明している仕様や各最新情報の記事一覧をまとめて紹介します。

目次

『Alder Lake』の最新情報一覧

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第12世代Core CPU『Alder Lake-S』の基本情報ついて

『Alder Lake』はIntelの第12世代Core CPUとなります。2021年現在発売中の第11世代Core CPUはデスクトップ向けは14nmを採用する『Rocket Lake-S』とモバイル向けは10nmを採用する『Tiger Lake』となっていますが、Alder LakeではこれらのCPUの後継モデルにあたり、デスクトップ・モバイル共に10nmを採用し、デスクトップ向けには『Alder Lake-S』、モバイル向けには『Alder Lake-P/M』のネーミングが付けられています。

デスクトップ向けである『Alder Lake-S』の発売日は2021年11月4日になる事が最新のリークで判明しています。

Intel Alder Lake-Sの発売日は11月4日。予約開始は10月27日

big.LITTLE(異種混合コア)を本格採用するアーキテクチャー

Alder LakeではARMやApple M1などで広く利用されている電力効率の優れる高効率コアと高性能コアなど2つの種類の異なるコアを組み合わせて一つのCPUとして動作するbig.LITTLE構成のCPUとなっています。

Alder Lakeでは高性能コアはCore系であるGolden Coveアーキテクチャーを採用し、高効率コアはAtom系としてGracemontアーキテクチャーが採用されます。なお、Core系CPUは最大8コアで16スレッド、Atom系CPUは最大8コア8スレッドがAlder Lakeでは搭載でき、合計のコア数は最大で16コア、スレッド数は24スレッドとなります。

コア構成を変えてデスクトップから超省電力モバイル向けをカバー

Alder Lakeでは異種混合コアを採用しますが、そのコア構成については主にコア構成を変化させる事でハイエンドデスクトップから超省電力モバイル向けまでカバーされる予定となっています。

現時点で判明しているのは以下の構成となっています。

GLC=Golden Cove (高性能Core系コア)・GRT=Gracemont(高効率Atom系コア)

『Alder Lake-S』

・S1:デスクトップと高性能モバイル向け、GLC8コア+GRT8コアを採用(8+8)(最大24スレッド)
・S2:デスクトップ向け、GLC6コア+GRT0コア(6+0)(最大12スレッド)

『Alder Lake-P』

・P1:モバイル向け、GLC6コア+GRT8コア(6+8)(最大20スレッド)
・P2:モバイル向け、GLC2コア+GRT8コア(2+8)(最大12スレッド)

『Alder Lake-M』

・M:超省電力モバイル向け、GLC2コア+GRT8コア(2+8)*LPDDR5/4でPCIe4.0のみ対応(最大12スレッド)

『Alder Lake-S』のS1およびS2に属するCore i9-12900K/KF、Core i7-12700K/KF、Core i5-12600K/KFの仕様は以下の通りになるようです。

Alder Lake-Sの最終仕様や価格が判明。Rocket Lakeより若干高価に。

CPUモデル RCP価格(1000個) USD P-Core  E-Core  合計 コア / スレッド数 L3キャッシュ L2キャッシュ CPUモデル P-Core ベースクロック P-Core ブースト P-Core Turoboost 3.0最大 E-Core ベースクロック E-Core ブースト TDP PL1 TDP PL2 CPUモデル
Intel Core i9-12900K 589 8 8 16 / 24 30 MB 14 MB Intel Core i9-12900K 3.2 GHz 5.1 GHz 5.2 GHz 2.4 GHz 3.9 GHz 125 241 Intel Core i9-12900K
Intel Core i9-12900KF 564 8 8 16 / 24 30 MB 14 MB Intel Core i9-12900KF 3.2 GHz 5.1 GHz 5.2 GHz 2.4 GHz 3.9 GHz 125 241 Intel Core i9-12900KF
Intel Core i7-12700K 409 8 4 12 / 20 25 MB 12 MB Intel Core i7-12700K 3.6 GHz 4.9 GHz 5.0 GHz 2.7 GHz 3.8 GHz 125 190 Intel Core i7-12700K
Intel Core i7-12700KF 384 8 4 12 / 20 25 MB 12 MB Intel Core i7-12700KF 3.6 GHz 4.9 GHz 5.0 GHz 2.7 GHz 3.8 GHz 125 190 Intel Core i7-12700KF
Intel Core i5-12600K 289 6 4 10 /16 20 MB 9.5 MB Intel Core i5-12600K 3.7 GHz 4.9 GHz 非対応 2.8 GHz 3.6 GHz 125 150 Intel Core i5-12600K
Intel Core i5-12600KF 264 6 4 10 /16 20 MB 9.5 MB Intel Core i5-12600KF 3.7 GHz 4.9 GHz 非対応 2.8 GHz 3.6 GHz 125 150 Intel Core i5-12600KF

 

Core系であるGolden CoveのIPCはTiger Lake比で20%増し。AtomはTremontがベース

Alder Lake-SはTigerLakeに対してシングルコア性能が20%向上

Alder Lakeの詳細情報が出現。Raptor Lakeについても少しだけ判明

高性能コア側に採用されるCore系のGolden Coveアーキテクチャーですが、10nm SuperFinプロセスが採用され微細化やアーキテクチャーの刷新によってIPCはTiger Lakeに比べて約20%も増えると言われています。また、マルチコア性能においては比較対象は不明なものの2倍あると言われている一方で、前世代のCPUより同等か低い消費電力で動作が可能となっていると言われています。

一方で、高効率コアはAtom系であるGracemontアーキテクチャーが採用されますが、このGracemontのベースはTremontがベースとなって開発がされており、性能面ではSkylake世代のCPUと同等性能になっています。

デスクトップ向けCore i9-12900KはZen 3 Ryzen 9 5950Xを上回る性能

Core i9-12900Kのゲーミングベンチ結果出現。Ryzen 9 5950Xとは僅差

Core i9-12900KのCinebench R23スコアは3万越え。R9 5950Xより7%高速

Intel Core i9-12900KのAoTSベンチマークが出現、スコアは大幅向上

Core i9-12900KはCinebench R20のSTで800pt台。Zen 3を大きく上回る

Core i9-12900Kのベンチマークが出現。Ryzen 9 5950Xより高い性能に

Cinebench R20ベンチマークをCore i9-12900KのQS品を水冷の定格状態での運用にて計測したところ、シングルコア性能(ST)は最大810pt、マルチコア性能(MT)は最大11600ptに達しているとの事です。このスコアを競合する他のCPUと比べると、例えば現在シングル・マルチ共に性能面でトップのRyzen 9 5950Xをシングルコア性能では約25%、マルチコア性能では約10%上回るスコアになっており、Intelの現行Core i9-11900Kに対してもシングルコア性能では約26%向上を果しています。

Core i7-12700KでもRyzen 9 5900X並みの性能に

Core i7-12700KのCPU-Zベンチマーク出現。シングルコアが800ptに

ハイエンドモデルに当たる、Core i7-12700Kでは、CPU-Zベンチマークにおいてシングルコア性能は800ptを記録し、2021年10月時点のCPU-Z公式上で記録されている最高スコアはCore i9-11900Kの682ptからは約17%の大幅向上を果しており、ライバルであるAMD製CPUのシングルコア最高得点を記録しているRyzen 9 5900Xの648ptからは約24%の向上が記録されています。また、マルチコア性能においては9423.2ptが記録されCore i7-12700Kと同じスレッド数を持つCore i9-10900Kに対して28%のスコア向上が記録されています。また、Core i7-12700Kの方がRyzen 9 5900Xより4コア・4スレッドほど少ないにもかかわらず近いスコアを記録しています。

Core i5-12600KはRyzen 7 5800XやCore i9-11900Kをも上回る性能に

Core i5-12600Kのベンチマーク出現。Ryzen 5 5600Xの2倍で5800X超え

Core i5-12600Kではミドルレンジ帯を担うモデルとなりますが、リークされたベンチマークによると性能が競合であるRyzen 5 5600Xに対しては倍近い性能になり、上位モデルに当たるRyzen 7 5800Xをも上回る性能を記録しています。また、IntelのAlder Lake-Sの前世代であるRocket Lake最上位モデルであるCore i9-11900Kの性能も上回っています。

Core i7-12700は登場半年近く前の試作段階でもRyzen 7 5800X並みの性能

Core i7-12700(無印)のベンチマークが初登場。性能はRyzen 7 5800X相当

Core i7-12700は早くても2022年1月中旬以降と見られています。そのため、8月時点では発売まで半年近くある試作段階のモデルとなっていますが、出現したGeekbenchのベンチマークではシングルコア性能はRyzen 5 5600X並み、マルチコアはRyzen 7 5800X並みの性能を既に達成しています。今後、発売までにBIOSやCPUの最適化を施すと考えられるため、発売時には更に大幅な性能の伸びが期待されます。

Core i5-12400は3万円以下でRyzen 5 5600Xを若干上回る性能に

Core i5-12400のベンチマークが出現。3万円台でRyzen 5 5600Xの競合?

Core i5-12400はCore i5-11400の後継モデルに当たる製品で3万円以下の価格帯で販売されると見られていますが、ベンチマークではシングルコアではAlder Lake-Sの特徴でもある高い性能は健在でRyzen 9 5950Xを超え、マルチコアにおいてもCore i5-11400からは20~30%向上、Ryzen 5 5600Xに対しては5%程度上回る性能を発揮しています。なお、こちらの製品もCore i7-12700と同じく2022年1月以降の発売になると見られており、発売までにこれらのベンチマークより性能が伸びる可能性があります。

デスクトップ向けのAlder Lake-Sは消費電力が高め

Core i9-12900KがAIDA64動作で400Wを記録。5.3GHzオーバークロック

Core i9-12900Kを5.2GHzにOCしたベンチマーク出現。330Wを消費

Core i9-12900Kのベンチマークが複数登場。ただし爆熱気味。

Alder LakeではARMやApple M1などで広く利用されている電力効率の優れる高効率コアと高性能コアなど2つの種類の異なるコアを組み合わせて一つのCPUとして動作するbig.LITTLE構成のCPUとなっているという説明を行いました。しかし、デスクトップ向けモデルにおいては電力効率より性能に振っているためか、通常の動作では最大257W程度、オーバークロックを行えば300W~400W程度にまで消費電力が増えるようです。

価格はRocket Lake-Sから最大1万円の値上げに留まる

Alder Lake-Sの北米での販売価格情報が出現

Alder Lake-Sの欧州での価格情報が出現。Rocket Lakeから最大1万値上げ 

詳しい価格は上記リンク先から確認する事が出来ますが、Alder Lake-S世代では現行のRocket Lake-S世代に比べてCore i9は約1万円、Core i7は約4000円、Core i5は約6000円程度の値上げに留まっていまるため、現行ラインアップとほとんど同等の価格設定と言えそうです。半導体不足でGPUなどが大幅な値上げになっている一方で、コア数とスレッド数、そして性能が大幅に向上しているAlder Lake-Sですが、AMDへの対抗心を剝き出しにした戦略的な価格設定となっています。

デスクトップ向けは新ソケットLGA1700採用。既存クーラーとの互換性が無くなる

LGA1700のピンは1800以上ある可能性。Raptor Lakeとの互換性を考慮か

Alder Lake-Sは2021年11月に登場。PCIe 5.0、DDR5と新しいCPUクーラー必須に

Alder Lake-Sでは従来のIntel製CPUでお馴染みの正方形型のパッケージから長方形型に変更されます。また、同時にDDR5やPCIe Gen5.0対応などに伴いソケットが新しい形状であるLGA1700に切り替わります。

これによってマザーボードの最新化が必要となりますが、今回は同時にCPUクーラーの最新化も必要となります。IntelのCPUクーラーは2008年に登場したNehalemで採用されたLGA1156から最新のLGA1200までCPUクーラーのマウント位置などに変更はありませんでした。そのため、古いCPUクーラーでも対応が可能でしたがAlder Lake-SではCPUが長方形となるため、マウント位置が変わるほか、CPUクーラーがCPUに直接触れるベースプレート部分も長方形である必要があり、正方形が主流の多くのCPUクーラーとAlder Lake-Sには互換性が無いとの事です。

DDR5とPCIe Gen5.0に対応

Alder Lakeでは最新鋭規格であるPCIe Gen5.0やDDR5メモリーへの対応がされる計画となっています。ただし、2021年秋頃時点ではDDR5メモリーは一般的に普及していないと考えられるため、一部ハイエンドマザーボードであるZ690などではDDR5の対応が行われ、ミドル向けに当たるB660やH610ではDDR4対応になると考えられています。

極一部のマザーボードにはATX12VO電源が採用される可能性あり

IntelがAlder Lakeで『ATX12VO』を推奨。そもそも『ATX12VO』とは?

IntelはAlder Lake-Sから新しい電源規格であるATX12VOの採用を推進しており、マザーボードメーカーやOEMなどに対して採用を呼び掛けているようです。このATX12VOとはIntelが提唱したATX 24pinに代わる新しい電源コネクター規格で12Vレーンしかない事からATX12V Onlyを略して『ATX12VO』と言う名称になっているようです。従来のATX 24pinから電源コネクターは小型な10pinコネクターに置き換えられており、USBやRGB用に必要な5Vや3.3V電源はマザーボード上に搭載されたDC-DCコンバーターで変換されるようになるとの事です。

ただし、このATX12VOの最大メリットは省エネ性能であり、既に自作PCを製作して電源を持っている方にはほとんどメリットは無くマザーボードや電源メーカーもあまり対応に積極的では無い事が噂されており一般ユーザーに販売される多くのマザーボードは従来型のATX 24pin電源が採用されると見られています。

Windows 11では異種混合コアに最適化

Windows 11ではAlder Lake等の異種混合CPUでの性能が向上

CPUに新しい技術が採用された際にはWindowsのタスクスケジューリング機能などソフトウェア面で最適化が行われておらずパフォーマンス低下に見舞われる事があります。AMDのRyzenが初めて登場して間も無い頃は、マルチダイプロセッサへの最適化が進んでおらずソフトウェアによってはスレッドが複数のダイを跨いでしまう事による遅延が発生しました。

一方で2020年にIntelはAlder Lakeと似たを技術を採用したLakefieldをリリースしていますが、こちらは2021年末までに登場予定のWindows 11においてパフォーマンス最適化が図られておりAlder Lakeにおいても同様に最適化が図られていると考えられます。

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (2件)

  • GracemontはSkylake並みのIPCですが、ベースはTremontですね。
    GracemontとSkylakeの内部設計は大きく異なります。

    • ご指摘ありがとうございます。
      Gracemontについて調べ直します。。。

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