ASUS、MSI、Gigabyte、ASRockの台湾マザーボード大手4社が、2026年の出荷目標を相次いで下方修正していることが、DigiTimesの報道で明らかになりました。
台湾マザボ4社の2026年出荷目標が全面下方修正
AI需要の急拡大によりDRAMやNANDの生産能力がHBM向けに振り分けられ、汎用メモリの調達コストはBOM比で従来の約15%から30%超に倍増しています。これに対して、各PCメーカーは販売価格を10〜20%引き上げるか、メモリ容量などのスペックを引き下げて対応しているものの、年初から需要は冷え込んでいるとのことです。
4社のマザボ出荷数は金融危機やコロナ禍をも超える下落に
各社の2026年の出荷目標は以下の水準まで切り下げられているとのことです。
- ASUS: 2024年1,400万枚→2025年1,500万枚→2026年は上半期500万枚にとどまる見込み
- Gigabyte: 2025年1,150万枚→2026年は内部目標を900万枚に下方修正。サプライチェーン側はさらに厳しく800〜850万枚と予想
- MSI: 2025年1,100万枚→2026年は840万枚へ急減する見通し
- ASRock: 2024年440万枚→2025年430万枚→2026年270万枚と3割超の減少見込み
特にASUSのマザーボード出荷枚数が1,000万枚を割り込むのは2008年の金融危機や2020年のコロナ禍でも起きておらず、事態の深刻さがうかがえる状況になっています。ただし、マザボメーカーにとってはAIサーバー事業の拡大がボード事業の利益減を補っており、業界全体の収益軸がAIインフラへ傾く流れが鮮明になっています。
CPUやメモリ価格高騰に加え、GPUの発売延期も逆風
IntelとAMDのCPUはエージェント型AIの台頭で推論用途としての位置づけが高まっており、両社ともデータセンター向けXeonおよびEPYCシリーズに生産能力を優先配分しているとのことです。これによりコンシューマー向けCPUの納期は長期化しており、2025年末から2度の値上げも実施されています。AMD CEOのリサ・スー氏は、部品コストの高騰がRyzenシリーズのPC向け出荷を直接圧迫しており、2026年下半期にPCおよびゲーミング需要が縮小するとの見通しを示しています。
さらに、ゲーミングPC需要を牽引するNVIDIAも、AI向けGPUの利益率が高いことから生産能力の配分やメモリ事情を踏まえてRTX 5000シリーズの更新を停滞させており、次世代モデルであるRTX 6000シリーズの登場も2028年まで延期される可能性が指摘されています。そのため、ミドルレンジからハイエンドなどのゲーミング市場では買い替えを促す製品が不足している状況になっています。
なお、日本市場でも既にDDR5メモリやグラフィックカードの値上がりが進行しており、自作PC需要の冷え込みは台湾と同様の流れで進む可能性が高いと考えられます。そのため、新規の自作PC組み立てを検討している場合は、価格動向に注視しながら購入判断を下した方が得策といえそうです。

