TSMCは先端プロセスの供給不足に対応するため、3nmおよび2nmの生産能力を2026年末までに当初計画から最大20%上積みする見通しであることが、明らかになりました。
TSMCが3nmを18万枚、2nmを10万枚体制へ拡大
TSMCの3nmプロセスは現在、台湾工場で月産約15万枚(WPM、Wafers Per Month)の生産能力を持っていますが、サプライチェーン情報筋によると、2026年末までに18万枚規模へと当初計画から20%上乗せして拡大される見込みです。また、2025年末に量産が開始された2nmプロセスについても、2026年末までに月産10万枚規模へ急拡大することが示されています。2nmは量産開始から1年で10万枚規模に到達する計算で、3nmが同水準に達するまで約2年かかったペースを大きく上回っており、AI向け需要の規模が前世代を超えていることがうかがえます。
AI需要の急拡大が背景。供給逼迫は2027年以降も継続
今回の増強の背景には、GoogleなどAI企業が複数年規模で計算インフラへの投資を拡大していることに加え、NVIDIAやAMD、Appleといった主要顧客がウェハー発注を継続的に更新していることが挙げられます。TSMCのC.C. Wei CEOは決算説明会で、既存工場の増強と新工場建設の双方に大型投資を行う方針を示すとともに、供給不足が2027年以降も継続するとの見方を明らかにしています。
一方で、TSMCの3nm/2nm増強分はAI向け需要を最優先に充てられるとみられるほか、増強によるコストはこれらプロセスの製造コストに反映されることになります。そのため、コンシューマー向けCPUやGPUの供給改善には直結しにくく、同プロセスを採用するAMD Zen 6やIntel Nova Lakeなどへの供給や価格面への影響が懸念されると言えます。


