AMDが Strix Halo の下位モデル投入を計画中。ノートPC向けGPUでNVIDIAのシェアを奪うことを狙う?
AMDは2025年1月開催のCES 2025にて、Zen 5を最大16コア、RDNA3.5 GPUを最大40コア搭載する超高性能APUであるRyzen AI Maxシリーズ(コードネーム:Strix Halo)を発表し、2025年上半期から下半期にかけて搭載ノートPCが発売されると見られています。ただし、これらのモデルはTDPが120Wと高めであるため、搭載されるノートPCは筐体サイズが大きく価格が高いハイエンドモデルに限定されると考えられていました。しかし、AMDはスペックと消費電力を抑えたエントリーモデル向けStrix Haloの投入を計画していることが明らかになりました。
Moore’s Law is Deadが入手した情報によると、AMDはStrix Haloの追加モデルをOEMなどに説明したようで、このモデルは上位モデルに付けられるRyzen AI Maxという名称は採用されないものの、Strix Haloの低消費電力版としてStrix Halo Low Power (LP)としてラインアップされる見通しです。Strix Halo LPの仕様は、TDPが105Wと通常のStrix Haloの最大120Wから15W低減されている他、CPUはZen 5を8コア搭載し、内蔵GPUはRDNA3.5で構成されるCompute Unitを20基搭載するとのことです。また、メモリーについては、Strix HaloはLPDDR5xを8モジュール搭載することで256-bitのバス幅を実現していますが、コスト削減のためバス幅を128-bitに抑え、LPDDR5xを4枚搭載するようです。この128-bitのバス幅はメインストリーム向けモデルのRyzen AI 9(Strix Point)と同じですが、Strix Halo LPでは16MBのInfinity Cacheを搭載しているため、Strix Pointに比べて帯域幅がボトルネックとなりにくくなっています。
このStrix Halo LPは、Strix Halo搭載モデルよりも安価なノートPCへの搭載を狙ったモデルとなっており、エントリー向けゲーミングノートPCでありがちなRTX 3050やRTX 3060、RTX 4060とCore i7系を組み合わせたモデルへの対抗馬として追加でラインアップされたと見られています。
Strix HaloやStrix Halo LPのアドバンテージは、APUという形でCPUとGPUが1つのチップセットにまとめられているため、CPUとGPUを別々に搭載するよりも低消費電力となるほか、冷却機構も簡略化できるため、コストパフォーマンスも優れています。そのため、AMDではデスクトップ向けではNVIDIAのシェアを大きくは取れていませんが、ノートPC向け市場ではこのAPUを武器にラインアップを拡大し、シェアを取りに行くことを狙っているのかもしれません。
AMD Zen 6 Medusa Point Leak: 12 Core Chiplets & BIG IODs! (+ Zen 5 Strix Halo LP Update) | Moore’s Law is Dead
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