PlayStation 5 Pro (PS5 Pro)の消費電力は薄型 PS5 並み? 電力効率は30%向上
2024年11月7日に発売されたPlayStation 5 Pro (PS5 Pro)は、通常版PS5に対してGPUが大幅に強化されており、PS5 Pro向けに最適化されたタイトル「PS5 Pro Enhanced」では解像度や画質、フレームレートの向上などが見られます。一方で、最大消費電力は現在発売されているPS5の350WからPS5 Proでは390Wに増加しているため、実際のゲームプレイ時の消費電力もPS5に比べて増えることはほぼ確実と見られていました。しかし、Digital Foundryが消費電力について簡単な調査を行ったところ、PS5に対してパフォーマンスが向上しているにも関わらず、消費電力がほとんど増えていないことが明らかになりました。
初代PS5と現行モデルである薄型PS5、そしてPS5 Proのフレームレートと消費電力を同時計測した結果によると、Elden RingのRTモードでは初代PS5に対して薄型PS5は同じパフォーマンスを示していますが、初代PS5の方が消費電力が約10%ほど低い結果になっています。これについては、チップセットの品質にばらつきがある(Silicon Lottery)の結果と考えられるとのことで、詳細な調査が必要とのことです。ただ、このSilicon Lotteryというばらつき要素を踏まえても、PS5 Proではフレームレートが10~30%程度優れるものの、消費電力は薄型PS5に対して約10%程度しか上がっていないとのことです。
ただし、この結果はGPUよりCPUがボトルネックとなっている可能性があるとのことで、GPUに負荷がかかるPerformance Modeでの計測も行われていますが、こちらでもPS5とPS5 Proの消費電力はほぼ同じながらも、フレームレートは20~30%程度優れていたとのことで、電力効率が大きく向上していることは確実と言えそうです。
ソニーのファーストパーティーゲームであり、コンソールの性能を引き出せていると考えられるSpider-Man 2においても、PS5とPS5 Proで消費電力に顕著な差は出ていないようです。このゲームでは60fps固定で動くPerformanceモード(PS5 ProだとPerformance Proモード)で計測が行われています。このゲームではPS5 Proの方が画質設定が引き上げられていますが、カットシーンでは消費電力はPS5とPS5 Proの間で約10W程度の差、マップを縦横無尽に動く場面でもPS5に比べて消費電力は15W~20W程度しか上がっていないなど、消費電力という観点ではほとんど差がないと言えそうです。
PS5 ProはPS5に対して性能を引き上げるため、チップセットの大幅な強化が行われています。特にGPUはPS5では36基のRDNA2ベースのCompute Unitを搭載していましたが、PS5 Proでは60基に増やしているほか、RDNA3やRDNA4アーキテクチャーをベースにしたCompute Unitに変更されているほか、メモリー速度も向上するなど、消費電力が増える要素は多くあります。しかし、PS5 ProのチップセットはPS5で採用されているTSMC 6nmから4nmに縮小されているため、今回のように消費電力を大きく上げずに性能を向上させることが可能になっていると言えます。
PS5 Pro Power Consumption Tested vs PS5 Slim vs Launch PS5 | Digital Foundry
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