Ryzen 7 9800X3D と Ryzen 9 9950X3D の性能が判明。ゲーミング性能は最大13%向上
AMDは2024年10月終わりごろに現行の売れ筋モデルであるRyzen 7 7800X3Dの後継モデルであるRyzen 7 9800X3Dの発表を行い、発売を2024年11月上旬に行うと言われていますが、深セン省にあるMSI拠点への見学を実施した際に各メディア向けプレゼンテーションにて、Ryzen 7 9800X3DとRyzen 9 9950X3Dと見られるCPUの性能や動作クロックなどの情報を明らかにしたようで、それをドイツメディアのHardwareLUXX経由でRyzen 7 9800X3DとRyzen 9 9950X3Dの性能に関する概要が明らかになりました。
MSIが公開したスライドではRyzen 9000X3D8コアモデルならびに16コアモデルとしか記載されておらず、具体的なモデル名は記載されていませんが、前者がRyzen 7 9800X3D、後者がRyzen 9 9950X3Dであると考えられます。
ゲーミング性能を示したグラフでは、Far Cry 6、Shadow of the Tomb Raider、黒神話「悟空」の3タイトルのみしか示されていませんが、Ryzen 9 9950X3Dは先代のRyzen 9 7950X3Dに対してFar Cry 6では11%、Shadow of the Tomb Raiderで4%、黒神話「悟空」で2%の向上が見られるとのことです。
また、Ryzen 7 9800X3DではFar Cry 6では13%、Shadow of the Tomb Raiderで2%、黒神話「悟空」で2%を記録しているとのことです。
Ryzen 7 7800X3Dはその前のRyzen 7 5800X3Dに対してFar Cry 6では29%、Shadow of the Tomb Raiderでは26%向上を記録しているため、Ryzen 7 9800X3Dで見られるRyzen 7 7800X3Dに比べてFar Cry 6で最大13%、Shadow of the Tomb Raiderで最大4%向上と言う数値は性能の向上幅としてはかなり小さくなってしまっています。
ただ、MSIによるとこのCPUは初期サンプル品とのことでES品を用いたものの可能性があります。特にRyzen 9000シリーズ発売後の騒動で見られたような不完全なBIOSを使っている可能性も高いため、製品版ではもう少し性能が上がると言えそうですが、Ryzen 7 7800X3Dで見られたような大幅な性能向上には期待できないと言えます。
先代のRyzen 7000X3Dシリーズでは3D V-Cacheを重ねるという特徴から、動作クロックや最大動作温度が通常モデルに比べて下げられており、それに伴いレンダリングタスクなどでは5%ほど性能が落ちるという弱点がありました。
しかし、Ryzen 9000X3Dシリーズでは特に最大動作温度到達に伴う性能低下と言う弱点が克服されているようで、Cinebench R23マルチコアでの性能はRyzen 9 9950Xに対してRyzen 9 9950X3Dの性能は同等で、Ryzen 7 9700Xに対してRyzen 7 9800X3Dでは+6.5%の性能向上が見られるとのことです。なお、動作クロックに関してはRyzen 7000X3Dより低下幅が抑えられているようで、今までシングルコアでは5%劣る状態でしたが、2%劣る状態にまで抑えられています。
Ryzen 7 9800X3DとRyzen 9 9950X3Dのゲーミング性能はRyzen 7000X3Dシリーズに比べて向上しているものの、過去に見られた大幅な向上までは期待できないのが正直なところと言えそうです。ただ、すでに発売されているRyzen 9000シリーズやIntelが10月24日に発売するArrow Lake-S世代のCore Ultra 200Sシリーズよりは優れていることは確実であるため、ゲーミング用途として自作PCを組もうと考えているユーザーには最適なCPUになると言え、現行Ryzen 7000X3Dシリーズ並みの価格で販売されるのであればかなり人気が出るCPUになると言えそうです。
Wie ein Mainboard das Licht der Welt erblickt | HardwareLUXX
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まだ時期が早い