LenovoがLPCAMM2を採用する世界初のノートPCを発売。薄型ノートPCでもメモリー増設が可能に
近年発売されているノートPCでは筐体の薄型化に伴い、分厚くスペースを余分に取るSO-DIMMと呼ばれる取り外しが可能なメモリーは使わず、マザーボードに直接メモリーをはんだ付けするモデルが増えています。この方法の場合、筐体の薄型化やコストの削減が可能になるのですが、購入後はメモリー増設が一切できないなど製品のライフスパンを短縮する要因にもなっていました。そんな問題を解決するのがCAMM2(Compression Attached Memory Module)と呼ばれる新しいメモリーで、SO-DIMMではスロット型だったものを、CPUのLGAの様に圧着させて通信を行う方法に改めるとともに、1つのモジュールでデュアルチャンネル転送を可能にするなど薄型かつ小型ノートPCに最適な設計になっています。
そんなCAMM2ですが、この中で小型ノートPC向けに省電力化が行われたCAMM2の一種であるLPCAMM2を搭載した世界初のノートPCがLenovoより登場しました。
LPCAMM2を世界初搭載するのはLenovo ThinkPad P1 Gen7で、CPUにはCore Ultra CPUを搭載するほか、ディスクリートGPUとしてNVIDIA RTX 3000 Ada GPUを搭載するなど、主に映像制作やCADなどを扱うワークステーションで、現行の第13世代Core CPUを搭載モデルでも33万円となっており、Core Ultra化により40万円近い販売価格になると見られています。
このThinkPad P1 Gen 7は筐体がたったの17.05mmと言う薄さを実現していますが、上述のLPCAMM2を搭載する事で最初は16GB構成で購入しても、後々このLPCAMM2を取り換える事で32GBや最大64GBまでメモリー容量を拡大することが可能になります。
なお、今後LPCAMM2などCAMM2系のメモリーを搭載したノートPCは増えるものと考えられますが、SO-DIMMやはんだ付けでメモリーを搭載するよりも高価であることから1~2年程度は高価なハイエンドノートPCにのみ搭載され、ミドルレンジ向けなどより一般的にLPCAMM2が普及するのは3年程度はかかるものと考えられています。
メモリーが増設できるというのはワークステーションなど高価なノートPCほど重宝される仕様で、LPCAMM2などコストが多少高くても価格に転嫁できることからしばらくはこの様なワークステーションや一部のハイエンドノートPCを中心にLPCAMM2は採用されると見られています。ただ、メモリーが増設できるというのは商品性の1つとして魅力にもつながるため、多少高くなってもコンシューマー向け製品にも展開していってほしいところです。
Lenovo Unveils Its New AI-Ready ThinkPad P1 Gen 7 Mobile Workstation | Lenovo
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