2023年のゲーミングPC出荷台数は前年比13%減少。2024年は回復へ
市場調査会社のIDCによると、コンシューマ向けPCの販売台数はコロナ禍以降、在宅勤務の減少や景気後退懸などにより減少が続いている状況で、2023年の出荷台数は前年比で13.9%減少の減少になったという調査結果を明らかにしています。
この中でコンシューマ向けPCの中で17%を占める高性能なグラフィックスカードを搭載したゲーミング用途のPCについては2023年は前年比で13.2%の出荷台数減少を記録していることも明らかになっています。
この2023年のゲーミングPC出荷台数減少は世界各国でインフレが進行したことでPC自体が売れにくくなっていたことに加え、グラフィックスカードなどの単価が高騰し、嗜好品でもあるゲーミングPCに対する需要が減ったと推察しています。
ただ、ゲーミングPCの販売台数は落ち込む中でも120Hz以上のリフレッシュレートを持つゲーム用モニターの出荷台数は2022年に対して20.3%増加するなどゲーミングPCと正反対の動きをしています。ゲーム用モニターではリフレッシュレートを165Hzを超える製品や、1msの反応速度、より高い解像度を持つ製品が増える一方で、価格が年々下がっていることから買い替えが促進されているようです。
このように2023年はゲーミングPCは減少の一方でゲーミングモニターは拡大という傾向になりましたが、IDCでは2024年はゲーミングPCは底を付き、PCとモニター共に出荷台数が拡大すると予測しています。
ゲーミングPCの出荷台数が伸びる背景としては2024年にはGeForce RTX 5000シリーズやRadeon RX 8000シリーズなどグラフィックスカードの新製品が発売されるほか、ゲーム市場自体が堅調に伸びているため出荷台数の拡大を見込んでいるとのことです。また、ゲーミング用モニターについては性能が上がりながら引き続き価格が下がるため、ゲーミングPC以上の伸びると予測しています。
ただし、ゲーミングモニターの単価は今後も下がり続けるも、ゲーミング用ノートPCやグラフィックスカードはGPUの高性能化により価格が上昇する傾向にあり、2024年には平均価格は$1101、日本円で17万円にも達する予定で、グラフィックスカードを中心に、ゲーミングPCの価格が下がらず、上がる傾向にあることを予測しています。
ゲーミングPCはコロナ禍で知名度と出荷台数は増えたものの、そこそこ遊べるスペックで組むとなると15万円は超えるなど気軽に手が出せるものではありません。そのため、ゲーミング人口は増えるものの実際にゲーミングPCを買う層は限られた状態がまだまだ続きそうです。
特にRTX 4000シリーズではミドルレンジのグラフィックスカードでさえも5万円を超え、RTX 5000でもさらに値上がりする可能性がありますので、ゲーミングPCの出荷台数を増やしたければもう少し各部品(特にグラフィックスカード)で手頃な価格帯の製品が必要となりそうです。
Worldwide PC Shipments Declined 2.7% Year Over Year in the Fourth Quarter of 2023 but Visions of Growth Lie Ahead | IDC
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