2024年以降に投入予定のAMD、Intel、Qualcomm各社のCPUロードマップが明らかに。Raptor Lake Refreshは2025年まで現役。
Intelでは2023年にタイルアーキテクチャーを採用したMeteor Lakeを投入しますが、ライバルであるAMDでは2024年にZen 5+RDNA 3.5を組み合せたStrix PointやStrix Halo、そしてARM系で戦うQualcommはSnapdragon Xをそれぞれ投入しますが、今回この3社が2024年から2025年に投入するCPUのロードマップと見られる情報が出現しました。
今回登場したロードマップ情報は中国のBilibiliで活動しているGolden Pig Upgrade氏から登場しており、主にノートPC向けに登場するCPUのみ取り扱われています。そのため、デスクトップ向けCPUについては不明です。
IntelではMeteor LakeやArrow Lakeを投入するが、実質Alder LakeなRaptor Lake Refreshが2025年まで現役
まず、2023年にMeteor Lakeを投入するIntelですが、2024年のラインアップは半分がMeteor Lake、半分がRaptor Lake Refreshと言うラインアップになっています。
まず、ゲーミングノートPCなどTDP65W近いCPUが求められるHXラインアップではデスクトップ向けCPUを転用している関係から10月17日に発売するRaptor Lake RefreshをベースとしたCPUが投入されます。
一方で、Meteor LakeはTDPが28WのHラインアップとTDPが15Wおよび9WのUラインアップに投入が行われ、それぞれMeteor Lake-H/U15/U9シリーズとしてラインアップされます。
ただし、Meteor Lakeは価格が比較的高いため、廉価版のUラインアップとしてRaptor Lake Refresh-Uと呼ばれるCPUが追加投入される予定になっています。
このRaptor Lake Refresh-UはIntelがMeteor Lakeから投入する新しいブランドに切り替えられる予定で、このモデルではCore 3/5/7ラインアップに位置すると見られています。なお、Raptor Lake Refresh-UはRaptor Lakeの名称は入っているものの中身はP-CoreにGolden Cove、E-CoreにGracemontを採用しているため、実質的に2021年に発売されたAlder Lakeと変わらない仕様になっています。
2025年にはArrow Lake予定となっており、最上位のHXラインアップもデスクトップ向けのArrow Lakeを転用したArrow Lake-HXがラインアップされます。その下のTDP30W帯CPUにはArrow Lake-Hが、そして超省電力CPUであるMeteor Lake-U9の後継にはLunar Lake-Mが投入される予定になっています。
一方で、Meteor Lake U15およびRaptor Lake Refresh-Uは2025年も現役なのですが、Arrow Lake-Hの廉価版として2025年にはRaptor Lake Refresh-Hが追加で投入されるようです。こちらもRaptor Lake Refresh-Uと同じく中身はAlder Lakeと変わらないCPUになると見られています。
Intelでは一応、Meteor LakeやArrow Lake、Lunar Lakeなど新しいアーキテクチャーを採用したCPUを投入する予定ではあるのですが、幅広いラインアップをカバーできないのかRaptor Lakeが2025年まで現役のようです。
AMDは2024年はAPUで攻める。Zen 5+RDNA 3.5を備えたStrixシリーズを投入。一方でZen 3も現役・・・
AMDについては2023年にZen 4+RDNA 3を組み合わせたPhoenix APUを投入しましたが、2024年に入るとこのPhoenix APUはHawk Pointと言う名称に変更が行われるようです。Hawk Pointに変更される際に、どのような性能向上が行われるかは不明ですが、少なくともZen 3からZen 3+の様な違いはなく、Phoenixと同じくZen 4+RDNA 3のままであることがロードマップ上では示されています。
上位モデルのAPUとしてはStrix HaloとStrix Pointが投入される予定で両APU共にZen 5系CPUにRDNA 3.5 GPUを組み合わせたAPUになっています。
Strix Haloと呼ばれる最上位APUは通常のCPUコアを備えたZen 5 Classic、GPU側のコア数も現行Phoenixの最大12コアから30コア台に増えると言われています。そのため、対応ソケットがFP11と呼ばれる新しいソケットに対応する様です。
一方で、上位モデルのStrix PointはZen 5 ClassicとDenseを組み合わせたハイブリッドアーキテクチャーCPUになる見込みです。GPUはStrix Haloと同じくRDNA 3.5 GPUですが、コア数は12~16コア程度になる見込みです。こちらはソケットはFP8という事でPhoenixやHawk Pointと互換性を持っており消費電力も恐らく30W台になると考えられています。
下位モデルとしてはAMDではZen 3+とRDNA 2を組み合わせたRembrandtを2024年も現役モデルとして投入予定のようです。
QualcommはSnapdragon XでApple Mシリーズやx86系CPUを崩す?
Qualcommの資料はロードマップには鳴っていませんが、最近発表されたSnapdragon Xの仕様とも言える情報が掲載されています。この資料によると、Hamoaと呼ばれるコードネームがノートPC向けSoCの名称で、CPUコアにはQualcommが買収したNuvia開発のOryonが8P+4Eまたは6P+4E構成で投入する計画のようです。
GPUはSnapdragon 8 Gen 2で採用されたAdreno 740を内蔵するのですが、PCIe Gen 4 x8レーンを備えておりディスクリートGPUを接続する事が可能になるようです。
ストレージ用にもPCIe Gen 4 x4が1本またはUFS4が用意されており、メモリーはLPDDR5Xを最大64GB搭載する事が可能になっています。また、CPUやGPUとは別にメディアエンジンが内蔵される計画で、4K120fpsの動画のデコードと4K60fpsのエンコードに対応しているようです。
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