RDNA4搭載のRadeon RX 8000シリーズはRDNA1再来。ハイエンドモデルは開発難航でお蔵入りになる可能性大
AMDでは現行のRDNA 3アーキテクチャーを採用するRadeon RX 7000シリーズの後継モデルとして、2024年を目途にRDNA4アーキテクチャーを搭載するRadeon RX 8000シリーズの投入を計画しています。このRDNA4については海外のリーカーであるKepler氏がRDNA1の様にハイエンドモデルが登場しないとの事でしたが、今回この情報を補足するとともに、なぜ登場しないのかについてMoore’s Law is Deadで情報が明らかにされています。
AMD RDNA 4 (isn’t) Cancelled & FSR 3 Release Date Leak – YouTube
AMDのRDNA4アーキテクチャーについては複数の関係者から情報を入手したところ、AIB関係者がAMDと将来の商品について会話した所、『先代のRDNA 3やRDNA 2の様にハイエンドモデルにおいて大幅なパフォーマンス向上を謳う製品ではない』との事でした。
また、AMD関係者によるとハイエンドモデルについてはNavi4Cと言うコードネームで2023年初頭から開発が進められており、現時点では開発中止が言い渡されたという情報は無いとの事です。ただ、Navi4Cについては単純なモノリシックダイではなく、非常に複雑な構造となっている事が原因で他の製品を開発するチームから応援として大量のリソースを奪っている状態になっているとのことです。
他のAMD関係者によると最近になりAMDではRDNA4については2つのGPUに集中して開発する事が決定されたとのことです。RDNA4の最上位モデルでは非常に凝った作りにはなっていたものの、RDNA5と主力のミドルレンジ向けRDNA4が予定通り投入できる事を優先するためリソースを集中させるため、開発中止が判断されたとのことです。
特にNavi41系については多くの問題に直面している一方で、RDNA5については開発は順調である事も開発を中止する一因にもなっているとのことです。今後、RDNA5で大きな問題が発生する一方で、Navi41の問題に解消の目途が立てば開発再開が再検討されると言えますが、現時点ではその可能性は非常に低いとのことです。
AMDがRDNA4のハイエンドモデルの開発を中止した背景には、いくつかの複雑な要因が組み合わさっています。
ハイエンドモデルの開発は困難を極めており、そのプロセスにおいて必要とされる開発リソースが多いにもかかわらず、収益性はそれほど高くないという問題がありました。この割に合わない状況が、開発のネックとなっていたようです。さらに、AMDは近年、エンタープライズ向けGPUなど、生成AIの分野で高い収益を確保できる機会を見出しています。これらの分野では、ハイエンドモデルよりも高い収益が期待できるため、企業としての戦略を再考する必要がありました。
結果として、AMDはハイエンドモデルの開発をRDNA4では一旦放置し、RDNA5への再挑戦を計画している様子です。
この開発中止の決定は最近になって行われたものですが、前述の開発の困難さ以外にも、市場の競合状況が影響している可能性がありそうです。具体的には、NVIDIAがGeForce RTX 5000シリーズを2025年まで発売しないことが明らかになっており、この動きがAMDのRDNA4のハイエンドモデル開発中止と言う決断を後押しする要因にもなったと考えられそうです。
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