Arrow LakeとLunar Lakeで新しいAVX-VNNI命令セットが追加へ。AI系処理の性能が向上。
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Intelでは2024年下半期に第二世代 Core Ultra CPU(旧第15世代CPU)Arrow Lakeをデスクトップ向けとノートPC向けで発売する事を計画していますが、このArrow Lake以降のCPUではAI処理などのタスクを高速化できる命令セット『AVX-VNNI-INT16』が追加されるようです。
このAVX-VNNI命令のVNNIはVector Neural Network Instructionsの略でAI処理などに使われるニューラルネットワーク学習や推論処理を効率的に実行するために開発された命令セットになっています。
Intelが公開した各CPUアーキテクチャー毎に対応する命令セットをまとめた「Architecture Instruction Set Extensions and Future Features」資料についてArrow LakeやLunar Lakeなど将来的に登場するCPUで対応する命令セットが追記されています。
その中にはArrow Lake-S(その後登場のLunar Lakeも含む)には新たにAVX-VNNI-INT8とINT16と呼ばれる命令セットが追加されるようで、より少ないメモリと帯域幅でのAI処理が可能になる事と推察されます。また、Meteor Lakeから搭載されるAI処理に特化したアクセラレータ『NPU』と併せてAI処理において優位性を示すものと見られています。
ただ、AI処理などで高い性能が発揮できるAVX-512(AVX-512 VNNIなど)はArrow Lakeでは依然としてサポートされる事は無いことがため命令セットだけで見るとRyzen 7000シリーズに対して劣る場合がありそうです。
IntelではこのAVX-VNNIの他により安全なハッシュ化と暗号化を行うSHA512やSM3、SM4もサポートしており、これらのアルゴリズムでの暗号化や複合化などをソフトウェアベースで実行するよりも高速に実行する事が可能になる見込みで、セキュリティーが重要視される法人用途において競争力を獲得するものと見られます。
IntelではComputex2023にてMeteor LakeでStable DiffusionをディスクリートGPU無しで動作させるなどAI処理について力を入れているようですが、その傾向はArrow LakeやLunar Lakeなど今後登場するCPUでも見られそうです。
ただ、AVX-512については頑なにコンシューマー向けでは入れない方針は変わらないようです。
この理由はコンシューマー向けCPUがエンタープライズ用途で使われるのを防ぐためだとは思うのですが、Granite RidgeやSierra Forestではコア数が大きく増えている見込みです。そのため、XeonとCore Ultra系のい間では性能に大きな差が生まれる事になりCore UltraをXeonの代わりとしてエンタープライズ向けで使う人は極めて稀な気がするのですが他にAVX-512を入れられない理由があるのですかね・・・
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