デスクトップ向けMeteor Lakeは投入中止。開発済みCPUはノートPC向けに流用

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Intelでは2024年に第14世代CPUのMeteor Lakeを投入予定ですが、デスクトップ向けに計画されていたMeteor Lake-Sは投入中止となり、開発されたCPUの一部はノートPC向けのMeteor Lake-Pに流用される可能性が出ているようです。

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デスクトップ向けMeteor Lake-Sは投入中止。既に設計されたCPUはノートPC向けMeteor Lake-Pに流用する方向に転換。

Intelでは2024年以降にIntel 4プロセスで製造される第14世代CPUのMeteor Lakeシリーズを投入する計画でしたが、このMeteor Lakeについてはデスクトップ向けでは6P+8E構成でCore i5やCore i7などミドルレンジモデルを中心としたCPUしか登場しないという話や、デスクトップ向け自体が開発中止になる可能性などは雲行きが怪しい状況でした。

しかし、最新のリーク情報によるとデスクトップ向けに計画されていたMeteor Lake-Sは開発および投入中止となり、既に開発された部分はノートPC向けに計画されているMeteor Lake-Pに流用される方向になるようです。

CPU関連のリークを扱うOneRaichu氏によるとデスクトップ向けのMeteor Lake-Sは開発中止となったとのことです。しかし、すでにある程度開発されていたことからMeteor Lake-SはノートPC向けのMeteor Lake-Pとして流用が行われるようです。

OneRaichu氏は当初計画されていたデスクトップ向けMeteor Lakeとデスクトップ向けが開発中止となり、Meteor Lake-Pへ流用されることになったMeteor Lakeそれぞれの違いを示す図を公開しています。

Meteor LakeについてはCPUとアクセラレータなどを搭載するSoC、メモリーコントローラーやPCIe関連を担当するI/O機能などをそれぞれ独立したチップレットである『タイル』に分解し、開発や製造コストを最小限にしつつ組合せの自由度を高める事で様々な市場に対応できる製品になる予定でした。しかし、OneRaichu氏の図では当初計画されていたデスクトップ向けMeteor Lakeでは最大の売りであったCPU、SoC、I/Oが1つのダイに載せられ、GPUだけタイルとして搭載されているに留まっています。

これが、Meteor Lake-Pへ流用されることをきっかけにCPU、SoC、I/Oダイを再びタイル化する事となったようです。

このMeteor Lakeは冒頭で紹介した通り最新鋭のIntel 4(7nm相当)で製造が行われる予定なのですが、同プロセスで製造が予定されているサーバー・データセンター向け製品のGranite RapidsやSierra Forestについても開発が計画通り進んでいない様子です。

この原因についてはIntel 4に何かしらの不具合が出ている可能性があるようです。もし、仮にIntel 4の開発状況が芳しくないとするとIntelとしてはCPU+SoC+I/Oを1つの巨大なダイで作るデスクトップ向けMeteor Lakeは歩留りとコスト的に容認できないという判断を下し、デスクトップ向けは開発中止と言う流れになった可能性が考えられます。

IntelはAMDに比べてCPUダイが多く多額の開発費とともに複雑なプロジェクトマネージメントが要求され結果として市場投入の大幅遅延など機会損失が発生している状況から今までの様な全方位戦略から重要な製品に開発リソースを集中投下するスタイルに変更する可能性が指摘されています。

Intelが344コアCPUの開発中止。デスクトップ向けCPU含め開発規模を縮小

今回のデスクトップ向けMeteor Lakeの開発中止と、開発が終わっている部分をノートPC向けのMeteor Lake-Pへ流用するという点はIntelとしては重要市場はノートPC向け製品であり、今後はこれらにリソースを集中させるという事なのかもしれません。

Intelでは2023年後半にRaptor Lake-Refreshを計画していますが、Meteor Lake-Sの開発が中止となるとRaptor Lake Refreshをさらに改良したモデルが何世代か登場するというSkylakeの悪夢再来の可能性がありそうです。

ただ、Skylakeの時とは異なり今はライバルにAMDが存在し、そんなAMDは2024年にはZen5搭載のRyzen 8000シリーズを投入する計画があります。そのため、Meteor Lakeのデスクトップ向けの開発中止はIntelはZen5に対抗する製品を諦めたという事にもなりますので、Intelのデスクトップ向けCPUシェアはZen 3 vs Comet Lake & Rocket Lakeの時以上に失う可能性があります。

こうなると最も困るのが消費者です。一社独走を許せばAMDがRyzen 5000シリーズの時にCPU価格を大きく引き上げたような事が再び可能となってしまいますので、Intelは厳しい状況ですがZen5に対抗できる何かしらのCPUが登場する事を期待したい所です・・・

ただ、個人的にMeteor Lake最大の売りだったタイル化のメリットを殺したデスクトップ向けCPUが開発されていた辺りIntelのマネジメントが滅茶苦茶な気がしてたまらないです。

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
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コメント

コメント一覧 (3件)

  • ちゃんと訳せば解釈が明らかにおかしいのが分かると思いますよ。

    「MTL-S専用チップはキャンセルされたが、MTL-S製品は出る。これは[元からある]MTL-Pの派生になり、GT1のiGPUを使う。最終的に、最初の状態に戻ったわけだ。最初の状態が何かは昨年の私のツイートを見てほしい。」

    2021年からずーっと写真や仕様として出てたのはMTL-P用とされる4タイルで、こちらがもとからある方になり、MTL-S専用チップとされる2タイルは今回初めて出てきたもので、これが計画段階でキャンセルされ、6+8の4タイル構成のうちの低TDP版がMTL-Pに、高TDP版がMTL-Sになるだろう、という説明になります。

    OneRaichuの言う昨年のツイートは多分2022年6月6日のもので、普及帯がMTL、ハイエンドがARLという住み分けになるだろう、というものでしょうね。

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