2018年から開発中で、ついに『Tigerlake』の内蔵グラフィックスとして搭載される予定の『Xe』ですが、『DG2』と噂されるハイエンドゲーマ向けGPUが2021年に登場する可能性があります。
Xe ハイエンド市場向けGPU(通称:DG2)は2021年に登場予定
Intelが2018年から開発しているGPUである『Xe』グラフィックスアーキテクチャですが、以下の4つのアーキテクチャをベースに今後リリース予定とVideocardzで紹介されています。
アーキテクチャ | 製品コードネーム | 用途 | 登場時期 |
Xe-LP |
Tigerlake/ DG1/SG1 |
内蔵GPU向け | 2020 |
Xe-HPG | DG2? | ハイエンドゲーマ向け。ディスクリートGPU | 2021 |
Xe-HP | Arctic Sound | データセンター、AI開発用 | 2021 |
Xe-HPC | Ponte Vecchio | スーパーコンピューター用 | 2021 |
Xe-LP及びXe-HPGでは、コストとの兼ね合いでGDDR6が採用され、データセンターなど価格の許容範囲が広いXe-HPやXe-HPCではHBM2が採用される予定となっています。
Xe-HPGでは、他にハイエンドゲーマ向けとしてはRTX2000シリーズやAMDのBignaviなどRDNA 2系でレイトレーシングが当たり前になりつつある現状を踏まえ、ハードウェアレベルでレイトレーシングに対応するとされています。
『Tigerlake』とその内蔵GPU版の『Xe』は9月2日に発表予定ですが、Xe-HPGなどは2021年中に発表、発売がされる見込みになっています。また、Xe-HPGのみ製造は外部のファウンドリで行うとされています。
Xe-HPでは最大2048 EU(Excecution Unit)を搭載
一般ユーザーにはあまり関係ありませんが、データセンターやAI開発用途で使われるXe-HP(通称:Artic Sound)には1タイル512のEUを搭載し、タイルの数は1,2,4のバリエーションがあるとの事。
つまり、1タイルのみは512EU、2タイルは1024EU、4タイルは2048EUが搭載されます。また、Intelによるとタイルの数に応じて単精度浮動小数点数演算(FP32)はリニアに増えていくとしており、1タイルは10.6TFLOPs、2タイルは21.2TFLOPs、4タイルは42.3TFLOPsにも達するとされています。
真の目的はAI用半導体と自動運転ハードウェアでのシェア確保か?
この『Xe』の一部情報は日本時間で8月13日の22時からあるIntelの発表会で出されるものと見られています。Intelがハイエンドゲーマ向けGPUを本格的に開発すると今後NVIDIAやAMDと性能や価格面で戦う事になるので消費者の我々にはより良い方向に進むと同時に、後出しのIntelがどれほどの製品を出してくるのか楽しみでもあります。
ここからは完全な予想ですが、Intelが急にGPUに力を入れる理由は単に消費者向けGPU市場のシェアを取りたいのではなく、真の目的は今後需要が伸びるAI用半導体用途でのシェア確保ともう一つ大きな理由がNVIDIAがリード中の自動運転用のハードウェア分野への参入しそこでのシェアを確保する事だと考えられます。
『Xe』が開発開始されたのは2018年とされていますが、その1年前にIntelは2017年に自動運転用の画像認識技術でリードしていたMobileEyeを傘下に収めている事から自動運転分野に進出したいという意図が伺えます。
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