デスクトップ向け Intel Xe DG1 GPUのベンチマークが出現

BTOなどOEM向けにのみに供給がされているIntelのデスクトップ向けグラフィックスカードXe DG1ですが、アメリカのBest Buyにて販売されているXe DG1を搭載したBTOを購入しベンチマークをした結果がガジェット系を扱うYoutuberによって掲載されました。

デスクトップ向けDG1のベンチマーク出現

Intel Iris Xe (DG1) discrete GPU from ASUS has been tested – VideoCardz.com

This Prebuilt Has A Dedicated Intel Graphics Card! Intel DG1 Iris Xe – YouTube

Xe-LP DG1は2021年1月末頃から発売はされているものの、BTOなどを取り扱うOEM向けにのみ供給がされており、GPU自体もマザーボードに挿し、ドライバーを入れれば動く代物では無く、対応した特殊なマザーボードが必要になるものになっています。今回、ガジェット系を扱うYoutuber ETA PrimeによってBest Buyで販売されているDG1搭載パソコンを購入し、ベンチマークを実施しています。

最大1.5GHz動作でTDPは30Wのファンレス設計。

ベンチマークされたパソコンはBest Buyで販売されているCyberPowerPC Gaming Desktopと呼ばれる商品で、仕様としては6コア12スレッドのCore i5-11400Fに8GB DDR4@3000MHz、500GB NVMe SSDそして、Intel Xe DG1 GPUが搭載されています。ちなみにBest Buyでの販売価格は$749.99、日本円では8万円前後となります。

肝心なXe DG1は80基のEU、640基のコアを搭載し、VRAMにはLPDDR4を4GBを搭載しています。この仕様でGPUは最大1500MHzで動作しTDPは約30Wとなっています。仕様からしてエントリー向けモデルとなっています。（GPU-Zではデスクトップ向けDG1を正しく認識できておらず96EUと表示されています）

グラフィックス性能はRyzen 7 5700G並み

動画では初めに各種3DMarkのスコアが出ていますが、3DMark Night RaidのGPUスコアが21313pt、Fire Strikeが5837pt、Time Spyが1630ptとなっています。動画でも言及されていますがこのスコアはVegaグラフィックスを内蔵するRyzen 7 5700Gと等しいスコアとなっており、Ryzen 7 5700Gでは3DMark Night RaidのGPUスコアが21029pt、Fire Strikeが5082pt、Time Spyが1630ptとなっています。なお、モバイル向けXeとの比較では約30%程度、DG1の方がスコアは向上していますので動作クロックが1.5GHzに上がった恩恵は大きいようです。

肝心なゲームでのパフォーマンスですが、最近のタイトルでは解像度が1080pで画質は低に設定すれば60fpsを維持できる性能となっています。GTA5など古いタイトルでは1080p標準で86fpsを記録しています。ただし、Cyberpunk 2077では720pの80%スケーリングかつ最低画質で29fps、Red Dead Redemption 2では900p 最低画質で39fpsと言う結果となっており遅いLPDDR4の影響を大きく受けているように見られます。

ゲームタイトル	解像度/画質設定	平均fps
Forza Horizon 4	1080p/低	62fps
Injustice	1080p/低	60fps
Overwatch	1080p/低	83fps
Fortnite	1080p/低	151fps
Genshin Impact	1080p/標準	60fps
Rocket League	1080p/高	87fps
GTA 5	1080p/標準	86fps
Cyberpunk 2077	720p(80%スケーリング)/低	29fps
Red Dead Redemption 2	900p/低	39fps

流石にTDP30Wのエントリーモデルという事で性能は非常に低いです。特にRyzen 7 5700Gと同等か若干上回る程度の性能と言う点を踏まえるとDG1の立ち位置と言うのは微妙と言えます。一体どういった層をターゲットにしているのでしょうか・・・

なお、Intelはより高性能なDG2を開発中で2022年にリリース予定となっています。

Intel DG2の更なる詳細判明。入手可能になるのは2022年上旬から