Windows 12搭載のAIアシスタント、CoPilotでは高度なAI機能の動作にはAIハードウェアが必須。性能は40 TOPs以上が目安で既存のノートPCはほぼ全滅
Windows 11の最新バージョンにはプレビュー版としてCoPilotというAIアシスタント機能が導入されています。しかし、現時点では動作がもたついたり、できることに制限があるなど、まだ十分に活用できる状況にはありません。それでもMicrosoftはこのCoPilotの機能を拡張し、動作速度を向上させるべく、推奨されるハードウェア要件をOEM各社に通達したようです。
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Moore’s Law is DeadがOEMから入手した情報によると、MicrosoftはAPUやCPUの内蔵AI性能において45~50 TOPs程度の性能を要求しているとされています。この性能を備えていれば、CoPilotは快適に動作すると言われています。ただし、45~50 TOPsという性能要件はかなり高いハードルであり、AI性能を重視して開発された最先端のCPU、例えばIntel Meteor Lake、Qualcomm Snapdragon X Elite、AMD Ryzen 8000シリーズなど、2023年末から2024年に発売が予定されている限られたCPUでしか利用が難しい状況です。
それを受けてMicrosoftでは、過渡的な措置としてGPUやAIエンジンをTOPs算出に組み込むことも認めています。しかし、CoPilotを動作させるためにはPC全体で約45 TOPsの性能が必要とされ、次期WindowsであるWindows 12の推奨要件にこの「45 TOPs」が導入される可能性が高いと考えられています。
ただし、45 TOPsの性能要件を満たせない場合でも、Windows 12のインストールやCoPilotの利用は可能とされています。動作は遅くなると予想されますが、影響の範囲は限定的であると考えられます。
TOPsとは何でしょうか?
TOPs(Tera Operations Per Second)は、AIチップが1秒間に処理できる演算の数を示す指標であり、数学的な問題をどれだけ迅速に解くことができるかを表しています。ただし、TOPsは理論上の最大性能を示しているため、ソフトウェアの最適化やハードウェアの設定によって性能は変動する可能性があります。
45 TOPsと言う性能は、現行のノートPC向けCPUでは対応しているモデルはほとんどないと考えられます。例えば、AIハードウェアXDNAを内蔵したRyzen 7040シリーズは最大20 TOPsを発揮できますが、これだけでは45 TOPsには達しないと考えられます。内蔵GPUの性能を加えてもおそらく45 TOPsには及ばないでしょう。したがって、既存のノートPCでCoPilotの推奨要件を満たすことは極めて難しいと言えます。
一方で、高性能なディスクリートGPUを搭載したゲーミングノートPCやデスクトップPCなどでは、CPU単体でTOPsが足りなくても対応可能と考えられます。例えば、GeForce RTX 3060クラスのGPUであれば100 TOPsの性能を持っていると言え、ノートPC向けであっても45 TOPsを確実に超えるでしょう。ただし、この性能を持っているのはTensorコアを内蔵しているGPUのみであり、GeForce GTX 1650系などのGTXシリーズでは対応が難しいかもしれません。
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また新しくWindowsに黒歴史が刻まれるのか