正式発表前にリークされたWindows 11では開発初期段階という事でパフォーマンス面では全体的に重い傾向にありましたが、Alder Lakeなどで採用予定の異種混合CPUでは既に若干のパフォーマンス向上がされているようです。
LakefieldをWindows 11でテスト
Intelでは2021年中にbig.LITTLEなど異なるコアを詰め込んだ異種混合CPU、Alder Lake-Sをリリースする予定としていますが、その前にIntelはLakefieldと呼ばれるCoreとAtomを搭載する異種混合CPUを2020年にリリースしています。今回、Alder Lakeに最も近い構成のLakefieldを用いてWindows 11でのパフォーマンスをテストしています。
なお、Windows 10の段階でも既に異種混合CPUに対する対応はされており、Lakefield搭載CPUでは重い作業はCore系CPUで、軽い作業はAtom系CPUで動作させることで長いバッテリー持続時間と高いパフォーマンスの両立はできていますが、Windows 11では更にそれらに磨きがかかっているようです。
開発初期段階のWindows 11でもパフォーマンスはWindows10より向上
HothardwareではWindows 10の最新バージョン、21H1とリークされたWindows 11で比較をしています。共に3回テストがされその平均値がスコアとして掲載されているとの事です。
GeekBench 5
Geekbenchにおいては、Windows 11はWindows 10に比べてシングルコア性能は約2%向上し、マルチコア性能は5.8%向上をしています。パフォーマンス的にはWindows 11の方が最適化が進んでおらず性能は落ちてもおかしくない状況ですが、Windows 11の方が明らかに向上しています。
Cinebench R23
Cinebenchでも同じように性能は向上しています。シングルコアは8.2%向上し、マルチコア性能は1.7%向上をしています。
PCMark 10
様々な観点で計測が行われるPCMark 10ですが、こちらはグラフィックスなどが利用されるDigital Contents Creation以外のパフォーマンスではWindows 11がWindows 10を上回る結果となっています。純粋なCPU性能だけではWindows 11ではパフォーマンスが向上しています。
3DMark Night Raid
グラフィックス性能が重視される3DMark Night RaidではWindows 10の方がWindows 11を若干上回るスコアを記録しています。恐らくGPUドライバーの最適化がWIndows 11向けに進んでいないがためにこのような結果になったと推測されています。これはPCMark 10のDigital Contents Creationでも同じ結果が言えそうです。
Alder Lakeの登場で懸念に挙がっているのがWindows側のタスクスケジューリングとの相性ですが、この結果を見る限り、その心配は杞憂に終わりそうです。通常のCPUを搭載したWindows 10とWindows 11とのパフォーマンスの比較結果では全体的にパフォーマンスの低下が見られていました。そんな中でも異種混合CPUでのWindows 11パフォーマンスは2~10%程度向上しているため、より洗練される最終版では異種混合CPUにおいては更なるパフォーマンスの向上が期待できそうです。
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