TSMCが日本の長時間労働文化が似ているため先端プロセスを製造するファブ建設を検討中

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TSMCが長時間労働など働き方文化が似ている事から日本に先端プロセスに対応するファブ建設を検討中

TSMCについてはここ最近、台湾以外にも工場を建設しており、日本やドイツには自動車や産業機器向けに需要がある20nm以上のプロセスを、米国には最先端の2nmプロセスに対応する工場を建設していますが、TSMCでは新たに海外で7nm以下の最先端プロセスで作られる半導体を製造する工場として日本が検討対象に入っている事が明らかになっています。

TSMC prizes Japan’s chips skills after US stumbles, sources say | Reuters

ロイター通信に対して匿名を条件に情報提供をした業界関係者によると、半導体工場の建設については顧客からの需要の他に、その地域で製造する場合の様々なコストそして政府からの支援が必要不可欠になるとのことです。

この条件に対して、米国アリゾナ州に建設中の工場については技術者不足や台湾人技術者の派遣などを反対する動きなど問題が多発し、当初は2024年から製造が開始される予定が、2025年まで延期が決定しました。また、コストについても当初は台湾で製造するよりも20%程度高い見積もりだったものの、最新予想では50%とコストが膨れ上がっている現状があるようです。この大きな原因は土地や電力、水そして『労働者』と言われています。

一方で、日本の熊本県で建設が行われている半導体工場については当初の計画通り2024年頃から製造を開始できる見込みで、地理的に台湾から近いことなどが計画通り進める上で大きなベネフィットとなっているようです。また、政府の支援も米国に比べると手厚いほか、半導体工場の要とも言える『エンジニア』についてはTSMCの働き方と非常に親和性が高いとの事です。

TSMCでは絶対に生産を止められない半導体を扱う事から通常勤務終了後も待機が発生したり、12時間を超える労働時間や夜勤、祝日出勤などが常態化していると言われています。また、会議なども長く、1日辺り3時間に達すると言われています。この働き方に対して、日本では比較的一般的であるため親和性が高く、TSMCでは長時間労働が当たり前で疑問に思わない点や企業への忠誠心が高い日本人エンジニアは米国やドイツなどのエンジニアに比べると魅力的に映っているようです。

TSMCについてはこのような魅力的なエンジニアの確保に向けて高い給料を提示する準備も出来ているとの事で、2nmプロセスを製造する半導体ベンチャー、Rapidusに対して対抗する用意も出来ているとのことです。

熊本に新たに3nm以下のファブが建設されるかはまだ分かりませんが、もしかしたらAMDのZen7や1台50万円とか取られそうなGeForce RTX 6000世代など近い将来に発売されるCPUやGPUに関しては日本にあるファウンドリーで作られた製品が世に出回るかもしれません。ただ、裏を返すと日本の働き方についてはZen7が出る数年先もほとんど変わらず出社必須で長時間労働する人が多数派と言う時代のままなのかもしれませんね。

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