TSMCが2024年にウェハー価格をさらに3~6%引き上げへ。2022年比で10~20%の値上がりに。
半導体については2020年から2021年にかけては需要と供給バランスが大きく崩れた事やサプライチェーンの乱れにより価格が大きく高騰し、TSMCでは2021年にウェハー辺りの価格を25%の大幅値上げを行いました。さらに2022年には10nmを下回る新プロセスや旧プロセスを含め5~8%の値上げを行うなどインフレによる部材費高騰や先端プロセス開発に向けた研究開発費の確保のために度々値上げが行われていますが、2024年もTSMCではウェハー価格の値上げを検討している事がDigitimesの持つ情報筋より明らかになりました。
TSMC Has Plans for Price Hikes up to 6% Next Year, Says Report | Tom’s Hardware
半導体などの設計を行う複数の情報元によると、TSMCでは2024年1月よりウェハー価格を7nmや5nmなどの先端プロセスを中心に3~6%の引き上げが行われるとのことです。ただ、TSMCについては上述の通り2020年以降、大幅な値上げを続けており、2022年のウェハー価格に対して、2024年は10~20%の値上げとなってしまうようです。そのため、TSMCでは顧客離れや価格改定を受け入れてもらいやすくするために、価格引き上げを受け入れた顧客から優先的に生産枠を確保する動きを取っているとのことです。この動きはAppleなど大量に受注する顧客のほか、AI向けグラフィックカードの需要増加で供給が追いついていないNVIDIAにとっては魅力的なオプションとなる事が確実であるため、早期に受け入れTSMC値上げ分の原資は商品価格の値上げと言う形で転嫁される可能性があると言えます。
ただ、TSMCの値上げ分以外に、グラフィックカードやCPU、メモリーでは使われている部材が多岐に渡っています。そのため、TSMCが数%行った値上げ以外に電源用キャパシターや基板部品などの値段が上がれば販売価格はさらに上がりますし、逆に周辺部品が下がれば値上げ幅は縮小される可能性もあります。また、マーケティング的に値上げにより売上高が大きく下がるなど不都合が生じると判断されれば利益幅を減らしてでも販売価格を据え置きにするなどの措置が取られます。そのため、一概にTSMCの値上げ=商品価格も値上げとはならないため、2024年前にグラフィックカードを買っておくなど焦る必要性は全くないと言えそうです。
個人的に、グローバル企業が売るモノの価格は毎年常に上がるのがデフォルトと思っていますので、買う予定があるのであれば変に値下げを待つより、価格を常にウォッチし、セールなどで普段より価格が安ければ即決した方が良いと考えています。
コメント
コメント一覧 (3件)
10年ぐらい前から微細化の開発コストがプロセス毎に大幅に増加していく、なんてことは当たり前に言われてきました
そのコスト負担に耐えられないファウンドリーはもう最先端プロセスを作っていません
昨今の社会情勢もありますしね
別に驚くこともなく、今後も値上げされるでしょう
ただそれだけです
半導体関連企業はユーザー置き去りでチキンレースしてるんだよな
一強はダメだな。Intel復活しないと。
サムソンも終わったしな。