Tensor G3はAV1の4K 60fpsエンコードに対応した世界初のSoCと判明。ただし使い道はなし
Google製のスマートフォンのPixel 8とPixel 8 ProにはGoogleとサムスンが共同で開発したSoC、Tensor G3を内蔵していますがその性能は競合のSnapdragon 8シリーズに対して大きく劣っており、Googleも発売間もない時には性能面でケチを付けられることを恐れてベンチマークソフトのインストールを制限するなど自信の無さが露になっています。
しかし、そんなTensor G3ですが実はスマートフォン向けSoCとしては世界で初めて4K60fps対応のエンコーダーを搭載していることが明らかになりました。
元々Tensor G3のAV1エンコーダーについては発表前のリーク段階でも搭載されることが指摘されていたのですが、このリークについて発売後に検証を行った人は居ませんでした。しかし、AndroidCentralの編集者のMishaal Rahman氏が改めてこのエンコーダーについて確認したところ、製品版でもAV1エンコーダーが健在であることが明らかになりました。また、リーク時点では4K30fpsまで対応だったものが、製品版では4K60fpsにまで機能向上されています。
AV1エンコーダーと言うとパソコン向けグラフィックスカードでも2023年ごろ発売されたPC向けのグラフィックカードで本格的な対応が始まった新しい規格で、エンコードに必要な負荷も高くなっています。
そのため、スマートフォン向けSoCではSnapdragon 8 Gen 3やDimensity 9300、Exynos 2400、Apple A17 Proなど最新鋭の高性能SoCでも対応しておらず、このTensor G3が世界で初めてAV1エンコードに対応するスマートフォン向けSoCになるようです。
世界で初めてAV1エンコードに対応するのであればなぜGoogle Pixel 8シリーズでアピールされていないか疑問に思いそうですが、どうやらTensor G3自体はAV1エンコードに対応するものの、AV1エンコードに対応するアプリが現時点で存在しないほか、Pixel 8シリーズに内蔵されているカメラアプリ、Pixel CameraでもAV1エンコードに対応する設定は用意されていないとのことです。
そのため、Tensor G3は4K60fpsのAV1エンコードに対応するものの、現時点では使い道が全くないようです。(その分ダイ面積小さくした方がコストダウンできて良かったんじゃない??)
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