Snapdragon 8 Gen 4では性能が向上も消費電力も高く問題に。一方で解決までの時間はまだある模様
Qualcommのハイエンドスマートフォン向けSoCであるSnapdragon 8シリーズについては毎年新しいモデルを投入しており、2023年にはSnapdragon 8 Gen 3が、2024年にはSnapdragon 8 Gen 4を投入すると見られています。今回、この2024年に投入されるSnapdragon 8 Gen 4に関するリーク情報が登場しましたが、どうやら現時点では消費電力に関する問題に直面している事が明らかになっています。
Snapdragon 8 Gen 4についてはTSMC 3nmで製造が行われる計画になっており、内蔵されるCPUにはARMアーキテクチャーからQualcommが買収したNuviaが開発するOryonと呼ばれるカスタムコアが搭載されるとみられています。
In the case of Nuvia, unlike the 8cx Gen 4, it seems that the 8 Gen 4 provides decent performance, but there are serious issues with power consumption. https://t.co/mTffBT5bGy
— Revegnus (@Tech_Reve) October 3, 2023
このOryonはApple Siliconの様に同じアーキテクチャーでスマートフォンからノートPC向けまでカバーするものになるなどかなり野心的な製品にはなっていますが、Revegnus氏によると同じOryonを搭載するSnapdragon 8cx Gen 4ではパフォーマンス面で問題を抱えていますが、スマートフォン向けのSnapdragon 8 Gen 4ではまずまずの性能を記録しているようです。このまずまずがどのレベルなのかは不明ですが、少なくともSnapdragon 8 Gen 3を上回る事は確実であるためGeekbench 6で言うと8000pt~9000pt辺りに位置しているのかもしれません。
QualcommとしてはSnapdragon 8 Gen 4で独自CPUなどを採用することからAppleのAシリーズSoCに性能面で同等レベルにまで追いつく事を計画しており、そのために2P+6E構成のCPUをテストしていることが噂されています。しかし、このSoCについては性能を上げるために動作クロックを上げると消費電力も大きく増えるなど現時点では電力効率面であまり優れていない性能のようです。
この現象はAppleのA17 Proでも発生しており、TSMC 3nmを採用しているものの先代のApple A16 Bionicに対して性能向上を図るために消費電力自体が増えてしまっているため、もしかしたらTSMC 3nm自体、Qualcommが想定したほど電力効率が上がっていないのかもしれません。実際に、TSMC 3nmについては22nm時代から使われているFinFET技術の限界が露呈しているのでは無いかとも指摘されているため、この問題にQualcommは直面してしまっている可能性がありそうです。
ただ、幸いSnapdragon 8 Gen 4については2024年ごろに投入を予定しているためまだまだ改善の余地はあります。そのため、残された時間でこの消費電力の問題を解決できればQualcommやAndroidユーザーの悲願であるApple A17 Proやその次のApple A18 Proにも迫る様な性能のSoCを実現できるかもしれません。
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