Snapdragon 8 Gen 4のGeekbenchスコアは1万点超えに。ただし消費電力は高めに
Qualcommが2024年秋以降にリリースを予定しているスマートフォン向けチップセットのSnapdragon 8 Gen 4では独自開発のCPUコアを備えることで高い性能を発揮することが期待されています。そんなSnapdragon 8 Gen 4ですが、Appleが2024年に発表すると言われているApple A18 Proに備えてQualcomm側は動作クロックを最大4.20 GHzで動作させることでスマートフォン向けチップセットながら、Geekbench 6ベンチマークで10,000ポイントを超えるようなスコアを叩き出しているようです。
スマートフォン製品で数多くのリークを出している数码闲聊站氏によると、Snapdragon 8 Gen 4の最新試作品の動作クロックは過激なまでに高く、プライムコアであるPhoenix-Lコアは最大4.2 GHzで動作しているとのことです。この動作クロックによって試作端末ではGeekbench 6がシングルコアでは3000ポイント、マルチコアでは約10,000ポイントを獲得しているとのことです。
現行のSnapdragon 8 Gen 3ではシングルコアが2100ポイント程度、マルチコアが6800ポイント程度であり、シングルコアは約40%、マルチコアは約47%ほど伸びる計算になります。また、Qualcommがプレゼンテーションなどで比較に上げるApple製品と比べるとシングルコアはApple A17 Proを3%ほど上回り、マルチコアでは37%上回り、2022年に発売されたApple M2搭載のiPad Proの約9700ポイントに近いマルチコア性能となります。
ただ、このベンチマーク結果はQualcommの試作機で計測された結果である可能性が高く、実際のスマートフォンに搭載される際には冷却性能や消費電力の問題からこれよりも性能が低くなる可能性が高いと言えます。実際に、過去にはSnapdragon 8 Gen 4を搭載するスマートフォンでは5,500mAhを超える大容量バッテリーを搭載する必要があったり、消費電力がシングルコア動作でも10Wに達するなど性能は高いものの、消費電力の高さが課題であるとリークされている状況です。
もちろん、Snapdragon 8 Gen 4発売まで4か月近くあり、今後も最適化が続くと考えられますが、4.20 GHzに迫る様な動作クロックのまま製品化されるのかは謎で、最終仕様でもこの高い動作クロックと高い性能を維持できるのか注目です。
QualcommのSnapdragon 8 Gen 4についてはかなり高い性能であるのは確実なのですが、スマートフォン向けにはじめて独自開発コアを搭載した製品であるため、MediaTekはもちろんの事、何かしらのベンチマークでAppleに迫るようなパフォーマンスを実演したいという思惑があり、何が何でもこの目標は達成しようとしていると言えそうです。
ただ、AppleのM4をベースにするApple A18 ProではArm v9アーキテクチャーが使えるため、Arm v8アーキテクチャーのSnapdragon 8 Gen 4は不利であるため、チップセットの動作クロックを上げて対応するなどしているようです。
正直、ここまで高いベンチマークスコアは熱狂的なファンにはウケそうですが、バッテリーの持続時間を重視する一般ユーザーにとってどれだけメリットがあるのかは謎なところです。
補足情報
Snapdragon 8 Gen 4はQualcommが開発中のハイエンドスマートフォン向けSoCで、現行のSnapdragon 8 Gen 3の後継モデルになります。
同SoCではQualcommが独自開発したコアを搭載し、既にリークとして出ているGeekbenchベンチマークではApple A18 Proのマルチコアスコアを大きく超える10000ポイント程度になる見込みで非常に高性能なSoCになります。
ただ、2024年4月時点ではまだ開発中ではあるものの、高い消費電力と発熱に悩まされているという情報もあります。
製品ジャンル | メーカー | 製品名 | 発売予定時期 |
---|---|---|---|
スマートフォン向けSoC | Qualcomm | Snapdragon 8 Gen 4 | 2024年10月以降 |
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