NVMe SSDが年末以降から値上げへ。サムスンがNANDメモリの供給価格を最大20%値上げ
サムスンでは2023年第3四半期の決算が前年同期比で78%減益となり、特にNAND型フラッシュメモリーを中心とする半導体事業が低迷しました。このNAND型フラッシュメモリーは、AI向け製品における強い需要とは無関係であり、消費者向けPCやサーバー・データセンター製品の需要回復が見込まれるものの、展望は依然として暗い状態です。
この状況を受け、サムスンではNAND型メモリの収益改善を目指し、2023年第4四半期に供給価格を大幅に引き上げる計画をしているようです。
調査会社TrendForceによると、サムスンのNANDフラッシュメモリー価格の値上げは予想されていましたが、初期の見積もりでは最大で10%程度の上昇が見込まれていました。しかし、第3四半期の決算が予想を下回ったため、サムスンは企業収益を保護し、市場シェアを持つという利点を活かして価格下落トレンドからの脱却を図り、第4四半期には最大20%の価格上昇を計画しているとのことです。
サムスンのこの動向は消費者向け製品価格にも直接的な影響を及ぼし、特にNVMeやSATA型のSSDは現行価格から8~13%の値上げが予測されています。さらに、NANDフラッシュの値上げはパソコン市場だけでなく、モバイル業界にも大きな影響を与えると見られており、スマートフォン向けNANDフラッシュの供給価格も10~15%上昇すると予想されています。これはスマートフォン本体価格の上昇につながる可能性が高いです。特に、iPhone 15シリーズでは、TSMCの3nmプロセス技術の採用やチタニウム素材の使用などが行われていましたが、NANDフラッシュの価格が安定していたことが価格維持に貢献していました。しかし、NANDフラッシュの価格が上昇すると、iPhone 16シリーズでは価格上昇が避けられないと考えられています。
PCパーツ、特にNVMe SSDを検討している消費者にとっては、現在の在庫は現行の価格で販売され続けると予想されますが、新たな在庫ではNANDフラッシュの値上げが反映される可能性があります。そのため、年末のセールや2024年の初売りを狙ってNVMe SSDや通常のSSDの購入を検討するのが賢明かもしれません。
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