AMD Ryzen 9 9900Xの驚異的なベンチマークスコアが登場。シングルコアはCore i9-14900KSを6%超える
AMDではZen 5アーキテクチャーを採用するRyzen 9000シリーズを2024年7月31日から発売を予定していますが、この中で上から2番目に性能が高いRyzen 9 9900Xについてつい先日、Cinebench R23のベンチマークに関するリーク情報が登場していました。このリークではTDPがRyzen 9 7900Xの170Wから120Wに30%引き下げられても性能は13%上回り、最大253W消費するCore i7-14700K並みの性能を発揮するなど驚異的な性能と電力効率を実現している事が明らかになっていました。
今回はこのCinebench R23の結果に続き、Ryzen 9 9900Xで計測されたGeekbench 6ベンチマークの結果が登録されている事が発見され、Core i9-14900KやCore i9-14900KSをも上回る性能が記録されています。
Ryzen 9 9900Xは12コア24スレッドのハイエンドCPUで、12MBのL2キャッシュと64MBのL3キャッシュ(32MB×2)を備え、合計76MBのキャッシュ容量を持ちます。動作クロックはベースが4.4GHz、ブースト時の最大は5.6GHzに設定されているなど先代のRyzen 9 7900Xから大きな違いはありません。
ただ、TDPは120W、PPTは162WとRyzen 9 7900XのTDP 170W、PPT230Wからは大きく引き下げられており、低消費電力化されています。
Geekbench 6に掲載されたRyzen 9 9900Xは過去に登場していたES品ではなく、製品版と見られておりASUS製ハイエンドマザーボードのROG CROSSHAIR X670E GENEにDDR5を32GB搭載しいた状態で計測が行われています。
このRyzen 9 9900Xのベンチマーク結果はシングルコアが3401ポイント、マルチコアが19756ポイントを記録しています。
CPU | シングルコア | マルチコア |
---|---|---|
Ryzen 9 9900X | 3401 | 19756 |
Core i9-14900KS | 3189 | 21890 |
Core i9-14900K | 3088 | 20881 |
Core i9-13900K | 2982 | 20183 |
Ryzen 9 7950X | 2941 | 19277 |
Ryzen 9 7900X | 2925 | 17849 |
Ryzen 9 7950X3D | 2918 | 19608 |
Ryzen 9 7900X3D | 2825 | 17462 |
ベンチマーク計測時の動作クロックはベースが4.4 GHzで動作し、ブースト時のクロックは最大5.65 GHzを記録しています。これは現行のRyzen 9 7900Xと同じですが、シングルコア性能は非常に高くRyzen 9 7900Xに対しては16.3%の性能向上を記録しています。この性能の向上幅はAMDがComputex 2024で明らかにした値とほぼ同じになっています。
最大6.2 GHzで動作するIntel Core i9-14900KSに対しても、シングルコアでのスコアは約7%上回るなどかなり高い性能を発揮しています。
マルチコアにおいては先代のRyzen 9 7900Xに対して約11%高い性能を発揮しています。このスコアはシングルコアほど大きな伸びになっていませんが、CPUのTDPが170Wから120W(最大電力のPPTも230Wから162W)と30%引き下げられている事が原因と言えますが、電力効率で言うと57%近く向上しています。また、Ryzen 9 7950Xに対しては2.5%優れた性能を発揮するなど先代の最上位モデルをより低い消費電力で上回っています。
Intel製CPUと比べてみても、Ryzen 9 9900XはCore i9-14900Kに対して5%劣るレベルにまで迫っておりPBOを有効化した場合にはCore i9-14900Kと同等か少し超えるぐらいの性能を発揮すると言えそうです。
Ryzen 9 9900X含めたRyzen 9000シリーズは2024年7月31日発売と言う事で、もう既にインフルエンサー向けにレビューユニットの配布が進められていると考えられます。そのため、近い内にRyzen 9 9950XなどほかのCPUに関するベンチマークも登場すると見られていますが、今時点では消費電力を抑えつつ性能を上げるなどユーザーが期待していた進化の方向性に向いていると言えそうです。
Ryzen 9 9900Xについてはつい先日、Cinebench R23のスコア情報がリークされ、消費電力が抑えられているにも関わらず非常に高いスコアを記録するなどワットパフォーマンスが向上している事が明らかになっていましたが、Geekbench 6ベンチマークでも同じような傾向が見られています。また、同時にZen 5アーキテクチャーが新設計のアーキテクチャーであるためなのか、シングルコア性能も非常に高く今回Core i9-14900KSを7%上回るスコアを記録するなどかなり高い性能であることが明らかになっています。
このスコアであればゲーミング時のパフォーマンスにも期待できるため、クリエイティブ用途にもPCを使いたいという場合はRyzen 9000X3Dを待たずにRyzen 9000シリーズを買っても良いかもしれません。
ASUS System Product Name (AMD Ryzen 9 9900X 12-Core Processor) | Geekbench 6
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