Ryzen 7 9800X3D の供給量は潤沢だがアメリカ優先。原因は関税引き上げ懸念
海外では2024年11月7日、日本では11月15日から発売されたRyzen 7 9800X3Dは、高いゲーミング性能に加え、一般的なマルチコア性能も大きく向上したことから、CPUとしては久しぶりの大ヒット製品となっており、日本や海外で発売日に一斉に完売するなど高い注目度を集めています。そんなRyzen 7 9800X3Dですが、ドイツの量販店では12月末以降に入荷されるなど供給状況に懸念を感じざるを得ない話も出ています。しかし、供給自体は潤沢な一方で、需要が非常に高いことに加え、AMDはRyzen 7 9800X3Dをアメリカに優先的に供給しているようです。
Moore’s Law is Deadが量販店や代理店関係者から入手した情報によると、アメリカにおいては非常に高い需要が記録されており、発売時点では非常に多くの在庫を持っていたほか、ここ1週間の間で度々再入荷も行われるなど供給は非常に多いとのことです。しかし、それ以上に需要の方が高い状況で、他の量販店関係者も「爆売れ」状態であることを明らかにしています。
ただし、この供給に関してはかなり偏りがあることも明らかにされており、アメリカではBest Buyなど大手量販店への供給は潤沢に行われているようですが、中規模の量販店では再入荷時期が不明とのことです。
また、代理店関係者によるとRyzen 7 9800X3Dの在庫はすべて出払っており、好調であるほかアメリカに拠点を置く企業の多くがRyzen 7 9800X3Dを筆頭に、多くのPCパーツを必要以上に注文しているとのことです。この原因は、2025年からトランプ政権に代わる政権の発足により、公約にも上げていた関税引き上げを懸念しての動きとのことで、既に輸送費用も上がり始めるなどGPUやCPUなどが軒並み値上がりした2021年のような状況になってきているとのことです。
さらに、このようにアメリカ企業からの注文が集中していることから、AMDも手早く入金が得られるアメリカ向けへの供給を優先してしまっているとのことで、欧州や日本などはしばらくの間、Ryzen 7 9800X3Dの供給量が制限されてしまう可能性がありそうです。
日本ではRyzen 7 9800X3Dについて在庫が比較的潤沢にあると言われていましたが、発売日はオンラインでは約10分で完売、実店舗でも秋葉原などに位置する大型店では20〜30個程度、地方では2〜3個程度と在庫量が少ない状況でした。そのため、今回の情報も加味すると、近いうちに入る在庫もあまり多くはないと考えられるため、しばらくの間は入手困難な状況が続くと考えられます。
Ryzen 7 9800X3D Resupply Leak: AMD trying to avoid Tariffs? | Moore’s Law is Dead
コメント
コメント一覧 (2件)
AMDが持ってるGlobalFoundries(元AMDの半導体製造工場)は、最新のプロセス・ルールを使えないから最新のCPUやGPUは、すてTSMCから輸入しないと行けないからしかたないよ。ただし、Ryzen 3000シリーズやRadeon RX 5000シリーズはGlobalFoundriesの12nmプロセスで作られているので、最新のCPUやGPUのマスクデータを12nm用に作り直せばアメリカ国内の製造工場で作ることはできるかもしれないが消費電力や発熱が別物の別製品扱いになるだろうね。
脱字のまま変換してしまった
すてTSMCから→すべてTSMCから