Windowsで特殊な管理者アカウントを使うとRyzen CPUの性能が向上すると判明
AMDが2024年8月上旬から発売したRyzen 9000シリーズでは発売前のレビューにて先代のRyzen 7000シリーズから特にゲーミング性能を中心にあまり向上していない事が明らかになり、失望を買っていましたがどうやらWindows環境にてゲーミング性能を低下させるバグがある事が海外レビューアーがAMDへ問い合わせたことから判明しました。
海外のテック系YoutuberのHardware Unboxedによると、Windowsのアカウント権限に関連するバグがRyzen 9000シリーズCPUの性能低下を引き起こしている可能性があり、一部ゲーミングにおけるベンチマークを再度実施しています。
Windows管理者アカウントへのアクセス
- 管理者権限でコマンドプロンプトを起動
- 『net.exe user administrator /active :yes』と打ち込み実行
- サインアウトすると左下に『Administrator』アカウントが登場するのでこちらでログイン
この方法を使う場合、新しいアカウントとして初期セットアップが行われますので、細かな設定やローカルアカウントに限定したアプリなどは表示されません。
このバグを回避する方法が上記の通りで、このコマンドを有効にすることでSYSTEMアカウントの次に高い権限でソフトウェアを実行することができるようになります。これはローカルユーザーアカウントで管理者権限で実行するのとは異なるようで、管理者権限で実行をしてもパフォーマンスの改善にはつながらない様です。
この方法を用いてRyzen 7 9700Xの再テストを実施した結果、パフォーマンスは管理者アカウントではない状態に対してゲーミング性能は4%ほど向上しています。また、Ryzen 7 7700Xとの比較でも当初は2.7%の性能向上しか見られませんでしたが、管理者アカウントで実行することで3.9%の性能向上が見られるようになるなど、僅かではありますがパフォーマンスに影響を及ぼすようです。
AMDは多くのレビューなどで言われているRyzen 9000シリーズのゲーミングパフォーマンスが低い原因がこの管理者アカウントに関するバグが影響しているとHardware Unboxedには言っているようですが、Ryzen 7000シリーズCPUでも同様にパフォーマンスに悪影響を与えていたようです。
現時点ではこのバグの詳細原因などは不明ですが、AMDはMicrosoftと協力して近い内にこの問題を修正すると見られますが、修正されればRyzen 9000シリーズのみならず現行のRyzen 7000シリーズCPUやRyzen 7000X3Dなどでもゲーミングパフォーマンスの向上が見られるかもしれません。
また、今回はテストが行われておらず明らかにされていませんがCinebenchなどレンダリングや動画エンコードなどにもこのバグによる悪影響があるのかなど気になるところです。
この管理者アカウントに関するバグは修正するだけでRyzen 7 9700Xのゲーミング性能が4%近く伸びる事が明らかになっていますが、3D V-Cacheを搭載するRyzen 7000X3Dなどではより大きな性能向上が見られる可能性もあるため、今後の検証やMicrosoftまたはAMD側での修正が待たれるところですが、Intel製CPUでもこの管理者アカウントに関するバグがどれだけ影響しているのか気になるところではありますが、今後このバグの修正がこればこの辺りは明らかになりそうです。
なお、現時点では管理者アカウントを使うことでゲームを中心にパフォーマンスが上がるとのことですが、修正が入る事はほぼ確実と言えますので今時点でわざわざ管理者アカウントを有効化してゲームをプレイしても手間の方がかかるだけだと思うので動向を見守るだけにしておいた方が良いと言えます。
Possible Windows Bug Found, Hurts Ryzen Gaming Performance | Hardware Unboxed
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