AMDがRyzen 9 9950XなどのCCDレイテンシを改善し性能向上するBIOSを提供予定

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AMDがRyzen 9 9900Xと9950XのCCDレイテンシを改善するBIOSを提供予定。マルチスレッド性能が向上へ

AMDは2024年8月15日に発売したRyzen 9 9900XおよびRyzen 9 9950Xについて、2つのCCDを備えたCPUであることが特徴ですが、Windows 11の最適化不足により、Zen 5の強みである分岐予測が活用されなかったり、コア・パーキング機能が不完全であるなど、ソフトウェアに起因するさまざまな不具合が報告されています。AMDはこれらの不具合に対して修正作業を進めています。

この不具合はBIOSにも影響を及ぼしており、Ryzen 9 9950Xの発売時にAnandtechが行ったレビューでは、Ryzen 9000シリーズのCCD間のレイテンシが、先代のRyzen 7000シリーズに比べて大幅に高いことが明らかになりました。これについては、AMDが近日中にCCDレイテンシを改善するためのAGESA BIOSを公開する予定であることがわかりました。

Ryzen 9 9900XやRyzen 9 9950Xのように2つのCCDを持つCPUでは、CCD間でのデータ転送が必要になるケースがあり、この転送速度は可能な限り高速である必要があります。しかし、現在のRyzen 9 9950Xでは、CCD間のレイテンシが平均180nsとなっており、先代のRyzen 9 7950Xの76nsと比べて2倍以上のレイテンシがあります。これは特にマルチスレッド処理において、パフォーマンスを大きく低下させる原因となっています。

この問題に対して、AMDは今後数ヶ月以内にCCD間のレイテンシを改善するAGESA BIOSを準備する予定ですが、現時点では具体的な日程は不明です。

このCCD間レイテンシが改善されることで、レンダリングやエンコードなど、2つのCCDに含まれるCPUコアを利用するマルチスレッド処理においてパフォーマンスの向上が期待されます。一方で、ゲームのように1つのCCDで完結できる程度のスレッド数を利用する場合、影響は少ないと考えられています。

冒頭で述べたように、Ryzen 9000シリーズではWindows 11の分岐予測やコア・パーキング関連の不具合により、パフォーマンスが想定より低下していると指摘されています。これに加えて、CCD間レイテンシの問題も浮上しており、AMDがRyzen 9000シリーズの準備が不十分なまま発売を急いだことが、より明確になったと言えるでしょう。

コメント

AMDのRyzen 9000シリーズは、期待とは裏腹にソフトウェア面での調整不足が顕著に現れ、発売後のレビューでも良い評価を得られず、残念なローンチとなってしまいました。これはRyzen 9系も同様で、同CPUが発売直後に定価以下で販売されていることも明らかになっています。今後、CCD間レイテンシの改善に伴い、マルチスレッド性能などがどの程度向上するか、注目が集まります。

これまでに発覚したRyzen 9000シリーズのさまざまな不具合は徐々に修正されているため、2024年末から2025年初頭に登場すると言われているRyzen 9000X3Dシリーズでは、期待に応えるようなゲーミング性能が発揮されるかどうか、注目されるところです。

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
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コメント

コメント一覧 (3件)

  • なんやかんやで最新のBIOS、Windows update当ててやったら7800X3Dでもちょっとベンチマークスコア(Cinebench、CPU-Zなど)が上がりますね

  • Zen5については、4nm製造が決まった時点で、オリジナルから変更が加わっているものと推測します。
    また、今はAI最優先で、内部も手薄になっているのでしょう。
    ここ数年、AMDは堅実かつ着実なロードマップに好感が持てたので、こういう下手は打たないでほしいですね。

    あと、ゲーマーは騒ぎ過ぎ。
    大人しくX3D買え。

  • cpuでのレンダリングは多くのコアに分散しやすいワークロードだけど、
    コア間での通信の必要性はほぼないので関係ないと思う.

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