AMDではハイエンド向けのRadeon RX 6900やRX 6800を2020年末に、アッパーミドルからミドルレンジを担うRX 6700やRX 6600を2021年にかけてリリースをしていますが、エントリー向けモデルとなるRadeon RX 6500 XTやRX 6400に関する情報が出現しました。
エントリー向けRX 6500およびRX 6400の情報が出現
AMDでは2020年末にNavi21 GPUを搭載するRadeon RX 6900 XT、RX 6800 XT/Non-XTのハイエンドグラフィックカードをリリースして以来、アッパーミドルレンジを担うNavi 22 GPUを搭載したRX 6700 XT、ミドルレンジ向けのNavi 23 GPUを搭載したRX 6600 XT、RX 6600の順にハイエンドからミドルレンジと商品バリエーションを増やして行っていますが、最後のレンジに当たるエントリー向けモデルとなるNavi24 GPUを搭載するRadeon RX 6500 XTおよびRadeon RX 6400に関する情報をVideoCardzが独自に入手したようです。
Compute Unitは16基、Radeon RX 6500 XT
Radeon RX 6500 XTではNavi24 GPUをフルスペックに活用したグラフィックカードとなる見込みになっています。Compute Unitは16基、Stream Processorsは1024基搭載し、推奨電源容量は400Wで補助電源を1口搭載するとの事です。
NVIDIAのGTX 1660シリーズではTDPが120W~125Wで8pinを1口、推奨電源容量が450Wとなっている事から、Radeon RX 6500 XTではTDPは120W以下になる可能性が高く、6pinを1口になる可能性がありそうです。
VRAM関係においては、速度は14 Gbps、容量4GBのGDDR6を搭載する見込みでバス幅は64bit、帯域幅は112GB/sになるとの事です。
Infinity Cacheについては16MB搭載すると見られており、一つ上のNavi23 GPUの32MBからは半分に削減されています。
TDPは75W以下、補助電源非搭載となるRaedon RX 6400
Radeon RX 6400ではNavi24から一部コアを無効化したモデル(Navi24XL)が採用され、Compute Unitは12基、Stream Processorsは768基搭載するモデルとなっています。このモデルではコア数が少ないことからか消費電力はかなり抑えられており、補助電源は搭載されずTDPについては最大で75Wになると見られています。
このようにここ最近で登場したグラフィックカードの中で補助電源が無いモデルはNVIDIAのGTX 1650以外無く、このまま登場すればかなり珍しい存在となります。
VRAMについては上位のRadeon RX 6500 XTと同じ仕様となっており速度は14Gbps、容量は4GB GDDR6を引き続き搭載し、バス幅、帯域幅も同じくそれぞれ64bitで112GB/sとなっています。こちらもInfinity Cacheは16MB搭載すると見られています。
両モデル共に登場は2022年初旬になっており、発表はCES2022などで行われるのではないかと考えられます。
Navi24は2022年Q1登場へ。エントリー向けで2.8GHzで動作?
GPUの動作クロックについては今回のリークでは詳細は分かっていないものの、過去にMoore’s Law is Deadでは動作クロックが2.8GHz近くにまでなるのではないかと言われています。また、Navi24ではダイサイズが可能な限り小さくなるように設計されておりもしかしたら他のRadeon RX 6000シリーズに搭載されているメディアエンコーダーやデコーダーの一部が非搭載となる可能性が指摘されていますので、用途によっては注意が必要となるかもしれません。
GPU | Radeon RX 6400 | Radeon RX 6500 XT | Radeon RX 6600 | Radeon RX 6600 XT | Radeon RX 6700 XT | Radeon RX 6800 | Radeon RX 6800 XT | Radeon RX 6900 XT |
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Compute Units | 12 | 16 | 28 | 32 | 40 | 60 | 72 | 80 |
Stream Processors | 768 | 1024 | 1792 | 2048 | 2560 | 3840 | 4608 | 5120 |
ゲームクロック | TBD | TBD | 2044MHz | 2359 MHz | 2424 MHz | 1815 MHz | 2015 MHz | 2015 MHz |
ブーストクロック | TBD | TBD | 2491MHz | 2589 MHz | 2581 MHz | 2105 MHz | 2250 MHz | 2250 MHz |
メモリー仕様 | 4GB GDDR6 + 16MB Infinity Cache | 4GB GDDR6 + 16MB Infinity Cache | 8 GB GDDR6 + 32 MB Infinity Cache | 8 GB GDDR6 + 32 MB Infinity Cache | 12 GB GDDR6 + 96 MB Infinity Cache | 16 GB GDDR6 +128 MB Infinity Cache | 16 GB GDDR6 +128 MB Infinity Cache | 16 GB GDDR6 +128 MB Infinity Cache |
バス幅 | 64-bit | 64-bit | 128-bit | 128-bit | 192-bit | 256-bit | 256-bit | 256-bit |
メモリー速度 | 14 Gbps | 14 Gbps | 16 Gbps | 16 Gbps | 16 Gbps | 16 Gbps | 16 Gbps | 16 Gbps |
帯域幅 | 112 GB/s | 112 GB/s | 256 GB/s | 256 GB/s | 384 GB/s | 512 GB/s | 512 GB/s | 512 GB/s |
TDP | =75W | <120W | 132W | 160W | 230W | 250W | 300W | 300W |
AMD Radeon RX 6000シリーズのAIB供給価格を値上げ。価格上昇に拍車
Radeon RX 6000シリーズの中でもエントリーモデルとなるRadeon RX 6500 XTとRX 6400の仕様が出現しましたが、IntelがArc Alchemistシリーズにおいてもエントリーモデルの投入を行うと見られている事から、2022年はコスト優先のゲーミングPCを製作する人にとっては最適な時期になるかもしれません。CPUではCore i5-12400など、GPUはRadeon RX 6500や6400、Arc Alchemist、NVIDIAからは12GB版となるRTX 2060など選択肢は多くあります。一方で、このRadeon RX 6500 XTとRX 6400で少し気になるのがマイニング効率です。マイニングについてはEthereumのPoWからPoSへの移行は想定よりも遅れておりまだまだマイニングが可能となります。この2つのモデルのマイニング効率がRX 6600系と同じぐらい高ければまたマイナー達の餌食になってしまうため、コストパフォーマンス重視のゲーマーなどが割りを喰らう可能性がありますので、そのあたりの情報は注視する必要があります。