GeForce RTX 4060 Ti 16GB版は8GB版より低い性能。MSIのライブ配信で判明

MSIのライブ配信イベントでGeForce RTX 4060 Ti 16GB版が8GB版より低いパフォーマンスを示す。

GeForce RTX 4060 Ti 16GB ends up slower than 8GB in official MSI testing – VideoCardz.com

NVIDIAでは2023年7月18日に16GBのVRAMを搭載したGeForce RTX 4060 Ti 16GB版の発売を行いました。しかし、他のRTX 4060 Ti 8GBやRTX 4060に対してインフルエンサーに対するレビューサンプルの提供はなく、各社AIBも多くのモデルを投入するなどの動きは見られず発売前から「売れない」扱いを受けていました。そんな、レビュー記事なども出ていないGeForce RTX 4060 Ti 16GB版ですが、MSIがライブ配信にて新しく発売されたGeForce RTX 4060 Ti 16GB版の性能を8GB版とライブで比べることをしていたのですが、なんと8GB版に対して16GB版は性能が若干劣ると言う結果が出てしまったようです。

NVIDIAのGeForce RTX 4060 Ti 16GB版についてはCUDAコア数やVRAMバス幅などは先に発売されている8GB版に対して同一なのですが、唯一VRAM容量が2倍の16GB化されたモデルになります。この2倍のVRAMを搭載することで価格は8GB版が実売6万円のところ、16GB版はほぼ3万円高い8.8万円と言う価格がつけられており、性能が相当上がっていないとゲーミング目的では買わない価格設定になっていますが、ゲーミング目的ではほとんど意味がないようです。

MSIのライブ配信ではCyberpunk2077やF1 2023、RainbowSix Siege、CS:GO、Fortnite、Hogwarts Legacyなど6タイトルでパフォーマンスの比較が行われていますが、CS:GOを除くゲームではRTX 4060 Ti 16GB版が8GB版に対して最大9%ほど劣る結果が出ているようです。ちなみに、この動画は現在は非公開にされています。

性能がここまで落ちている理由については、128-bitと言うバス幅のまま16GBにVRAM容量を増やしたという事でRTX 4060 Ti 16GBには表面と裏面にそれぞれ4枚、合計8枚のメモリーモジュールを搭載していますが、通常の8GB版であればメモリーモジュール辺り32-bitなのですが、16GB版では無理やり16GB積んでいるためメモリーモジュール辺りのバス幅は16-bitに半減されており、これが原因でメモリーレイテンシーが増えてしまい、パフォーマンスが落ちている可能性があります。

NVIDIAはRTX 4060 Ti 16GB版についてはレビューサンプルを配布しないほか、各社AIBも大々的に取り扱わないなど発売前から消極的な姿勢が明確になっていましたが、8GB版に対して性能がほとんど変わらないまたは若干劣ってしまっているからと言うのが答えなのかもしれません。

正直、こんな性能で価格が8GB版より3万円も高いのはトロールレベルの商品と言えますね・・・一応、VRAM容量が16GBと言うことで生成AIとしての使い道もありそうですが、それも層が限られている上に、本格的に生成AIに手を出すならRTX 4080とかRTX 4090クラスを買う人が多く、エントリー層はMidJourneyなどクラウド型の生成AIを使う人も多いため、いまいち立ち位置がわからない製品と言えます。

ただ、今回の性能比較は簡易的なもので、レビューサンプルは提供されていないものの多くのYoutuberやテック系サイトではRTX 4060 Ti 16GBの入手を試みていとのことで、今後数日以内により精度の高いベンチマーク結果が登場すると見られていますが、ここで性能が変わらない事がより鮮明になってしまうのか、輝ける場面もあるのか判明すると考えられます。