NVIDIAのGeForce RTX 3070 Founders Editionは海外限定でNVIDIAが販売するリファレンスモデルとなりますが、在庫数が非常に少なく発売後すぐに完売していました。そんなRTX 3070 Founders Editionを大量にマイニング目的に利用されている様子をあるTwitterユーザーが投稿していますが、多くの人が謎に思っていた入手経路についても明かされています。
マイナー達はどうやって入手困難なGPUを手に入れていたのか
NVIDIA GeForce RTX 3070のFounders EditionはNVIDIAが発売するRTX 3070のリファレンスモデルとなっており、他のRTX 3070と同じく2020年10月29日から発売が開始されたモデルとなっています。(日本では未発売)ただ、当時RTX 3070のAIBモデルのみならず、このFounders Editionに関しても入手は非常に困難で予約受付開始数分で品切れになるという状態でした。グラフィックスカードはその後2021年に入ると徐々に在庫状況は改善して行っていましたが、このFounders Editionについては依然として入手困難と言う状態が続いていました。そんなレアなグラフィックスカードですが、これを大量に仕入れてマイニングしている様子がTwitterに掲載され入手経路などが話題になっています。
少なく見ても200台のRTX 3070 Founders Edition。入手経路は量販店からの横流し?
Here’s is look inside building 1/4 of my mining farm. Almost all 3070s in this building. My new building will be all 170hx cards. Hoping to have it finished by EOY.
— Jaxson Davidson (@jaxson_davidson) December 15, 2021(削除済み)
Twitter上でJaxson Davidsonと呼ばれるユーザーが2021年12月15日に掲載したツイートでは、大規模なマイニングファームの一角を撮影した画像が添付されています。画像ではRTX 3070 Founders Editionが大量に置かれた様子が写されていますが、このツイートが大炎上したため、今ではツイートのみならず、ユーザーアカウント削除まで行われています。
このRTX 3070 Founders Editionについて、ユーザーアカウントが削除される前にどのように入手したかが語られています。
No, the only deal I got with Nvidia is for CMP 170hx cards. None of these cards were bought directly from Nvidia. All 30 series cards were bought from small businesses, at a premium. Average price per card is $1200. None of these cards were bought a retail.
— Jaxson Davidson (@jaxson_davidson) December 16, 2021(削除済み)
Jaxson氏によると、マイニングファーム上にあるRTX 3000シリーズについてはNVIDIAから直接購入は行われておらず、NVIDIAと直接契約が可能なマイニングGPUはCMP 170HXのみだったとの事です。そして、肝心なRTX 3000シリーズの入手については、個人商店的なお店に対してプレミアムが上乗せされた価格で購入をしたとの事です。平均価格は約1200ドルで一般的に販売されている店舗などからは一切購入していないとの事です。
このツイート上で言われている『Small businesses』は恐らくNVIDIAのグラフィックスカードを直接取引できる卸売り業者か、卸売り業者と関わりがある量販店と見られています。RTX 3070 FEについては当初は399ドルが定価で、発売時もその値段で売られていたことから、3倍程度の価格を提示して『Small businesses』と直接取引に応じてもらえたようです。
なぜRTX 3070なのか。理由は売却のしやすさ
Jaxson氏のツイートは多くのゲーマーからヘイトを買い、炎上している状態となっていましたが一応来ている一部質問に対しては回答をしています。その中の一つが、なぜわざわざRTX 3070など入手困難なグラフィックスカードを高値で買うのかと言う点ですが、以下のように回答しています。
GPUs are more profitable in my opinion. You have more flexibility, and better resale value over ASICS. Plus how else am I supposed to mine $RVN
— Jaxson Davidson (@jaxson_davidson) December 15, 2021(削除済み)
Jaxson氏によると、単純にGPUの方が高い利益を期待できるから。また、ASICなどに比べて拡張性や汎用性が高く様々な仮想通貨に対応ができ、リセールバリューについてもASICなどに比べて高い点が魅力と考えているからと返信がされています。
実際に、RTX 3070 Founders Editionはレアなグラフィックスカードという事で中古品でも1200ドル程度で売られています。そのため、Jaxson氏が3倍程度の価格で入手はしているものの、中古品として売却する際も同じ金額で売却が出来ているため、マイニング利益だけ得て設備費については実質持ち出し無しと言う状態になっています。
なお、Jaxson氏が入手したRTX 3070 Founders Editionは年内にCMP 170HXに入れ替えるという事でebayなどで売却をするとの事です。
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グラフィックスカードが枯渇していた2021年春ごろもマイナーがどのようにしてグラフィックスカードを入手していたのか謎めいていました。当時はNVIDIAが裏で横流ししているや、量販店が横流ししている、単純にbotを駆使して買い集めているなど色々言われていましたが、恐らく正解は『量販店が横流ししている』だったようです。量販店側としては確実に売れるかつ入荷時の価格より数倍高い価格での購入が提示されれば拒否する理由がほとんど無いため、今回のツイートのように大量買い付けが可能になるのでしょう。
幸いなことに、今では多くのNVIDIA製グラフィックスカードはLite Hash Rateモデルとなっているので大量買い付けをする旨味は無くなっていますが、AMD製グラフィックスカードの販売価格が上昇していたり、在庫不足が起きている点、もしかしたらまた一部の量販店が横流ししているという事が起きているのかもしれませんね。
コメント
コメント一覧 (3件)
そもそも無印RTX3080発売日、あの巨大なヨドバシですら入荷していない店舗が普通に有りました
日本市場にそもそも流通量が回ってきていませんから、日本は始めから蚊帳の外ですね
日本の場合、高価なグラフィックスカードは少数のコアなファンしか買わない商品ですからね
アメリカやEUだと割と売れてるんですが
大口顧客に対して普通に商売しているだけなのに横流しなんて表現はおかしいのでは?