2021年初旬に発売予定のデスクトップ向けIntel第11世代Coreである『Rocket Lake-S』ですが、Boost時のクロック周波数は5.5GHzに達するとの事です。
Intel第11世代CPU『Rocket Lake-S』の最新情報
Skylake以来のアーキテクチャーは刷新。14nmは継続。
2021年初旬に発売予定の『Rocket Lake-S』ですが、リーク情報に定評があるITCookerとMebiuWによると、『Rocket Lake-S』では2015年に登場した『Skylake』以来のメジャーなアーキテクチャー刷新が行われるとの事です。
PCI-e Gen4.0対応などAMDに追いつく
『Rocket- Lake-S』ですが、主に以下の特徴があるとの事です。
- PCI-e Gen4.0対応
- 『第10世代』に比べてL1キャッシュは50%増加の48KB。L2キャッシュは倍増の512KB。
- アーキテクチャーを刷新し『第10世代』に対してゲーミングパフォーマンスの大幅向上
- AVX-512利用時の性能向上(ただし消費電力増加を招く)
- ブーストクロックは5.5GHz程度まで上げられる
モバイル向け10nm CPUを14nmへバックポート
『Rocket Lake-S』では、デスクトップ向けCPUでは5周年を迎える14nmプロセスで製造されるものの、アーキテクチャーを刷新。ベースとなるのはモバイル向けIceLakeに採用されている『Sunny Cove』と今年発表されたTigerlakeに採用されている『Willow Cove』の2つ。
このアーキテクチャー刷新により、ゲームから通常作業など幅広い分野において第10世代Coreに対して大幅なパフォーマンスアップが実現すると見られています。
特に分かりやすい点では、第10世代CoreまではL1キャッシュが32KB、L2キャッシュが256KBだったものが、第11世代CoreではL1キャッシュが48KB、L2キャッシュが512KBと大幅に増加しています。
AVX-512性能とオーバークロック耐性の向上
『Rocket Lake-S』では、AVX-512命令の実行パフォーマンスが大きく向上すると見られています。ただし、AVX-512命令実行時は消費電力の増大とそれに伴う発熱が副作用として出る事が見込まれています。そのためマザーボードの電源回路などに大きく負担をかける事が予測されており既存のZ490より新たに登場する500シリーズマザーボードの方が高いパフォーマンスを発揮できる模様です。
オーバークロック耐性においては、『Rocket Lake-S』では5GHzは容易に達成が可能な設計をしており、Boostクロック時はES2品で5.3GHzを達成しています。実際に量産される際には5.4~5.5GHzまでBoostクロックは上昇すると見られており第10世代のCore i9 10900Kより200MHzほど高い数字となります。
一方で、オーバークロック耐性は高いものの、『Rocket Lake-S』では8コア・16スレッドが最大構成となっており8コア以上を求める方はAMDの『Zen 3』以外は選択肢がしばらく無い状態となりそうです。
AMD『Zen 3』発表会の際にコメント上では『RIP Intel』の文字が大量に並んでいましたが無事2021年初旬に『Rocket Lake-S』を発表できれば挽回のチャンスはありそうです。特に、Intelの売りでもあるシングルスレッド性能は『Zen 3』に負けないレベルにまで上げてくると考えられます。一方で、少々気になるのがAVX-512やBoostクロックが5.5GHz程度に上がるなど消費電力面です。AMDの『Zen 3』ではワットパフォーマンスにも注力しているためいくらデスクトップ向けとはいえ、『Zen 3』を大幅に上回るような消費電力ではない事を期待したいです。
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