3月30日発売のIntel第11世代CoreプロセッサであるRocket Lake-S ですが、デスクトップ向けCPUとしてはSkylake以来の新規アーキテクチャーを採用したCPUとなっています。そんなRocket Lake-Sのベンチマークが出現しましたが、IPCはZen 3アーキテクチャーを採用したRyzen 5000シリーズより劣る結果となっているようです。
Rocket Lake-SとZen 3を4C8T@4.0GHz固定でベンチマーク
中国のテック系情報サイトZhuanlanが発売前のCore i9-11900KやComet Lake Refreshに当たるCore i3シリーズを入手し、様々なベンチマークを計測しています。その中で一番注目は4C8T@4GHzに固定してCore i9-11900KとRyzen 9 5950Xを計測しています。
計測結果では、Ryzen 5950XがCore i9-11900Kに対して、シングルコア性能では平均して約5.7%、マルチコアでは約7.5%ほど高いスコアを記録しています。一方で、第10世代CoreプロセッサであるComet Lake RefreshやComet Lakeに対してはシングル、マルチそれぞれで15%以上のスコアを記録していることから、SkyLakeと比べると大幅な性能アップをしている事は確実なようです。
Adaptive Boost TechnologyでIPC分はカバーする模様
IPC面では若干ながらRyzen5000シリーズに及ばないIntel Rocket Lake-Sですが、Intelではその分をカバーすべくAdaptive Boost Technologyと呼ばれる動作クロック向上機能がCore i9-11900Kと11900KF限定で追加される模様です。
この技術では既存のTurbo Boost 2.0やThermal Velocity Boostを上回る動作クロックでの動作が可能となり技術になっています。この機能では、CPU温度が100度までである事と電源供給に余裕があれば8コア動作であっても最大で5.1GHzまで、2コアまでであれば、最大で5.3GHzまで動作クロックを向上させることが出来るとの事です。
ただし、動作クロックが大きく上がる分、消費電力に関しても大きくなる模様です。Intelが発表したCPUの電力供給に関する詳細仕様では、8コアであるCore i9-11900Kでは10コアCore i9-10900Kに対してPL2消費電力は最大では250Wから251Wと1Wしか変わりませんが、ベースは177Wから203Wにまで引き上げられています。
IntelではIPC向上と動作クロック向上の両面でRyzen 5000シリーズに対抗するようですが、クロック周波数や消費電力ゴリ押しで性能を上げる姿勢は貫き通しているようです。この姿勢に転換が見られるのはAlder Lake-Sからかもしれません。
また、驚いたのはAdaptive Boost Technologyでは最大100度になるまでクロック周波数を上げる事を許容していますが、この機能はIntelが提供している機能のため、何かしら不具合が起きても保証対象となります。ただ精神衛生上は100度近いCPU温度を見るのは良くないのでRocket Lake-Sを買うとしたら水冷は必須となりそうです。
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