Google Pixel 9搭載のTensor G4は過去最小規模のアップグレードになる見込み

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Google Pixel 9搭載のTensor G4は過去最小規模のアップグレードになる見込み

Googleは8月14日に次世代スマートフォンのPixel 9シリーズを発表予定です。このPixel 9シリーズでは筐体デザインの変更に加え、カメラやディスプレイのアップグレード、内蔵チップセットのTensor G3からTensor G4への変更が行われます。しかし、このTensor G4はTensorシリーズ登場以来、過去最小規模のアップグレードになる可能性があるようです。

チップセットはコア・アーキテクチャーが刷新もコア数は減る。GPUコアは同じに

Tensor G4は過去のTensorシリーズと同様に、サムスンのExynosシリーズをベースにしています。今回のモデルではExynos 2400をベースにし、一部コアを削減してGoogle独自のTPUなどを搭載しています。

コア種類	Tensor G3 (zuma)	Tensor G4 (zumapro)
E-Core	4x Cortex-A510 @ 1.7GHz	4x Cortex-A520 @ 1.95GHz
P-Core	4x Cortex-A715 @ 2.4GHz	3x Cortex-A720 @ 2.6GHz
Prime-Core	1x Cortex-X3 @ 2.9GHz	1x Cortex-X4 @ 3.1GHz
GPU	Mali-G715 MC7 @ 890MHz	Mali-G715 @ 940MHz

Tensor G4は合計8コア構成で、Cortex-X4のプライムコア1コア、Cortex-A720 P-Core3コア、Cortex-A520 E-Core4コアを搭載しています。これらのCortexシリーズはARMv9.2コアであり、アーキテクチャーがアップグレードされているため、シングルコアでは約11%、マルチコアは約3%の性能向上が見られます。しかし、P-Coreのコア数が減少したため、マルチコア性能の向上は限定的です。

また、GPUはTensor G3と同じMali-G715 GPUを搭載し、動作クロックが890 MHzから940 MHzにわずかに引き上げられています。アーキテクチャーが同じため、Pixel 9シリーズの放熱性能が優れていない限り、Pixel 8シリーズと同様にゲーム時にサーマルスロットリングが発生し、ピーク性能もほとんど変わらない可能性があります。

Google設計のTPUやGXPは変わらず

TensorシリーズはサムスンのExynosシリーズをベースとしながら、Googleが設計するAI処理を担うTPUや撮影画像を処理するGXPを搭載することでPixel独自の機能を実現しています。しかし、Tensor G4に搭載されるTPUやGXPはTensor G3と同じく、Rio世代のTPUとCallisto世代のGXPが採用されています。そのため、AI処理や画像処理関係の改良はソフトウェアベースの変更に留まります。

Tensor G4はTensor G3と同じくFOPLPパッケージングを採用しているため、発熱や放熱性能は変わらないと見られています。

Pixel 9シリーズはソフトウェアベースの機能向上のみに？

Googleは当初、Tensor G4を完全独自開発のチップセットにする予定で、製造もサムスンからTSMCに切り替える計画でした。しかし、開発が遅れたため、急遽Tensor G4をPixel 9シリーズ向けに作成したとされています。そのため、Tensor G4のコードネームはZuma Proとなり、マイナーチェンジであることが示されています。

Tensor G4ではCPUアーキテクチャに変更がありますが、TPUやGXPには変更がないため、新しいAI機能が追加されても、理論的にはPixel 8シリーズでも動作可能です。しかし、GoogleはPixel 9シリーズの差別化のため、これらの新しいAI機能をPixel 9でのみ動作するようにソフトウェアで制限する可能性があります。