2020年はNVIDIAからGeForce RTX 3090、RTX 3080、RTX 3070等が、AMDからはRadeon RX 6800や RX 6900 XTなどアーキテクチャーを一新したGPUが登場した年でした。しかし、発売されたGPUが全く手に入らない在庫不足な年でもありました。この全体的なGPUの在庫不足ですが、最悪な場合2021年半ばまで続く可能性が指摘されています。
GDDR6の供給問題がGPU不足の原因
2020年は自作PCユーザーにとっては印象的な年だったと言えます。新しいGPUである、RTX 3080やRTX 3070、AMD Radeon RX 6800 XTやRX 6900 XTが発売されたものの、在庫の数少なすぎるため、店頭に入っても瞬間的に蒸発。今すぐに買いたければ定価以上で売る転売屋から買わないと手に入らない状態となっています。この悲惨な状態の根本原因ですが、どうやらGPUなどで幅広く使われているGDDR6の供給不足の可能性が指摘されています。
GDDR6の安定供給には1週間、製品に反映されるには2月までかかる見通し
According to our sources, it will take weeks for the situation to return to normal, which means that the availability of all models will not improve until February, even by blocking the release of some models (such as the 6900XT Custom) […]
— Aurélien LAGNY, Cowcotland
日本語訳
我々の持つ情報源によると、通常の状態に戻るには1週間ほどかかる見通しです。これはつまり、例え一部モデル(Radeon RX 6900 XTカスタムモデル等)の販売を中止しても、在庫がもとに戻るには2月までかかります。
フランスの『Cowcotland』によると、GDDR6の供給が元通りになるにはあと1週間程度と書かれていますが、NVIDIAやAMDの製品の在庫が元に戻るには2月までかかると書かれています。これは、例えGDDR6の在庫が元通りになっても、サプライチェーンが追いつくまで時間がかかるためとの事です。
RTX 3080等のGPUが製造される際に、GPUチップとメモリーモジュールはセットでまとまった数がOEMに送ります。こうする事で、一定の品質の製品を安価に提供する事が可能となっているのですが、セットで送られるはずのGDDR6の在庫が無いため、GPUチップもOEMなどには届いていないという状態となっています。そのため、GDDR6の在庫が元通りになっても、OEMに2つのセットが届き、製造を開始し、消費者の手元に渡るには多くの時間がかかります。
また、CowcowtlandによるとNVIDIA RTX 3090やRTX 3080に使われている『GDDR6X』については大きな影響を受けていないとの事です。主に影響を受けているのはGDDR6を使うRTX 3070やRTX 3060 Ti、AMDのRadeon RX 6000シリーズとの事です。
補足:この記事を見ると最近突発的にGDDR6が供給不足に陥ったかのような書き方がされていますが、これは新型コロナウイルスによるサプライチェーン破綻による影響の続きであり、このCowcowtlandが情報源にインタビューした時点から1週間程度でやっと元に戻るという意味で書かれています。
GDDR6の供給不足についてはRTX 3000シリーズの発表前からされており、NVIDIAは度々公式声明でシリコンウェーハや部品の供給が不足していると発表していたためこの記事を見た時大きな驚きはなく「やっぱりか・・・」と言うのが正直な感想です。日本ではRTX 3000シリーズを買う事はアメリカ等に比べたらまだマシでしたが、最近はまた在庫切れを起こしているお店を多く見かけます。新型コロナの関係もあり仕方ない所もありますが、欲しい時に、欲しいビデオカードが買える時が来るのはまだまだ先になりそうです。
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