RTX 3080のVRAM倍増版は生産上の都合により延期または中止が噂されていましたが、その代わりとしてVRAM増量ではなく、コア数を増量したRTX 3080 Tiの登場する予定のようです。
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RTX 3090寄りのコア数とバス幅
RTX 3080が発売してすぐ、VRAMが10GBから20GBへ倍増されたRTX 3080が登場する話が何度か出ていましたが、生産上の都合から延期または中止する可能性が高まっていました。しかし、その代わりにコア数の数を増やし、よりRTX 3090の性能に近づけたRTX 3080 TiをNVIDIAが計画しているようです。
VRAM容量は据え置き。コア数は約14%でバス幅も増加
I remember I mentioned a spec with 4992 CUDA(39TPCs, before the confirmation of 2xFP32), 12GB GD6X several months ago.
I even thought it was RTX 3090 for a while, just naive.🤣🤣🤣🤣🤣— kopite7kimi4virgil (@kopite7kimi) October 28, 2020
GPU関係の噂で何度か当てているkopite7氏によると、RTX 3080とRTX 3090の間を埋める商品が用意されており、コードネームはGA102-250と呼ばれコア数がRTX 3080の8704コアから約14%増の9984になる商品が投入される可能性が指摘されています。
また、VRAMについてはGDDR6Xは変わりませんが、バスがRTX 3090と同等の384bitに変更されています。容量もRTX 3080から2GB増の12GBへ変更される可能性が指摘されています。
GPU ラインアップ | NVIDIA GeForce RTX 3060 Ti | NVIDIA GeForce RTX 3070 | NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti? | NVIDIA GeForce RTX 3080 | NVIDIA GeForce RTX 3080 Ti | NVIDIA GeForce RTX 3090 |
GPUコード | Ampere GA104-200 | Ampere GA104-300 | Ampere GA102-150 | Ampere GA102-200 | Ampere GA102-250 | Ampere GA102-300 |
派生・ベース | RTX 3070 派生モデル |
ベース | RTX 3090 派生モデル |
RTX 3090 派生モデル |
RTX 3090 派生モデル |
ベース |
CUDA Cores | 4864 | 5888 | 7424 | 8704 | 9984 | 10496 |
Tensor / RT Cores | 152 / 38 | 184 / 46 | 232 / 58 | 272 / 68 | 312 / 78? | 328 / 82 |
Base Clock | 1410 MHz | 1500 MHz | TBA | 1440 MHz | ?? | 1400 MHz |
Boost Clock | 1665 MHz | 1730 MHz | TBA | 1710 MHz | ?? | 1700 MHz |
FP32 Compute | 16.2 TFLOPs | 20 TFLOPs | TBA | 30 TFLOPs | ?? | 36 TFLOPs |
RT TFLOPs | 32.4 TFLOPs | 40 TFLOPs | TBA | 58 TFLOPs | ?? | 69 TFLOPs |
VRAM容量 | 8 GB GDDR6 | 8 GB GDDR6 | 10 GB GDDR6X? | 10 GB GDDR6X | 12 GB GDDR6X? | 24 GB GDDR6X |
バス | 256-bit | 256-bit | 320-bit | 320-bit | 384-bit | 384-bit |
メモリースピード | 14 Gbps | 14 Gbps | 320-bit | 19 Gbps | 19 Gbps | 19.5 Gbps |
帯域幅 | 448 Gbps | 448 Gbps | 320-bit | 760 Gbps | 760 Gbps | 936 Gbps |
TGP | 180W? | 220W | 250-280W? | 320W | 320W | 350W |
コア数が増えるが、その恩恵はしばらく受けられない
RTX 3080 Tiは膨大なコア数から想像できるように、RTX 3090に近いパワフルなGPUになる事は間違いありません。ただし、APIや各ゲームエンジンなどの最適化がされておらず、コア数を活かされていないという現状があります。
実際にRTX 3080が発売された際、TFLOPs数はRTX 2080 Tiに対して2倍以上の数字ではあったものの、ゲームを利用したベンチマークでは1.3~1.5倍程度の性能しか発揮できませんでした。一方で、VRAYやOctaneBenchなど何コアでも使えるソフトウェアではTFLOPsの増加分に等しい性能が発揮されていました。
そのため、RTX 3080 Tiなど1万近いコア数を持つGPUを購入しても、実際にゲームプレイ時に恩恵を受けられるのはRTX 3000シリーズ発売後に登場する最新のゲームなど、RTX 3000シリーズのライフサイクルの後半になると見られています。
RTX 3070からコア数を増加したRTX 3070 Tiに続き、RTX 3080にもコア数増量版の『Ti』登場が噂されているという事は、サムスンの8nmの生産数に一定の目途が立ったのでしょうか。RTX 3080では、コア数が多く将来的に性能を発揮できる可能性はありますが、VRAM容量が少ないように感じられます。そういう面では、VRAM容量を倍増させたRTX 3080は魅力的に見えたのですが、GDDR6Xの生産はMicron一社のみで多くの在庫を確保できない事からVRAM容量の増加をさせればまた、品薄につながると判断したのかもしれません。
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