Intel 第14世代Core (Ultra) CPU『Meteor Lake』最新情報まとめ

この記事は最終更新日から1年経過しています。掲載内容や情報が古い可能性があります。
  • URLをコピーしました!

Intelでは2023年末までにノートPC向け第14世代CPUである『Meteor Lake』を投入予定ですが、ここでは現在判明している『Meteor Lake』の仕様や各最新情報の記事一覧をまとめて紹介します。

目次

Intel 第14世代Core (Ultra) CPU『Meteor Lake』の最新情報一覧

Intel 第14世代Core (Ultra) CPU『Meteor Lake』の最新情報一覧

Intel 第14世代Core (Ultra) CPU『Meteor Lake』 に関するすべての記事はこちら

Intel 第14世代Core (Ultra) CPU『Meteor Lake』の基本情報

Meteor LakeはIntelの第14世代Core CPUとなります。このCPUは2022年から発売が開始されたRaptor Lakeの後継モデルとなり、Alder Lakeから投入されているハイブリッドアーキテクチャーなどが引き続き採用されます。一方で、Meteor Lakeでは新たにIntelの新プロセスであるIntel 4(7nm相当)で製造が行われる他、CPUとGPU機能をチップレット化したタイル構造、そしてAlchemistアーキテクチャーを採用する他、TSMCで製造が行われる内蔵GPUなど新たに設計が行われているCPUとなっています。この変更によりMeteor Lakeでは先代のRaptor LakeやAlder Lakeに比べてCPUや内蔵GPUなど各性能が飛躍的に向上すると見られています。

デスクトップ向けはRaptor Lake Refreshへ。Meteor LakeはノートPC向け専用に。

Meteor Lakeの詳細を説明する前に、このMeteor Lakeについては2023年6月時点ではノートPC向けにしか展開されないと見られています。

当初は、デスクトップ向けMeteor Lakeは計画されていたのですが、2022年末に最大14コア構成になりCore i9は投入されない話から始まり、その後はデスクトップ向けが開発中止になる話や、Core i3とCore i5のみ投入されるなど情報が錯綜していましたが、2023年5月にリークされたIntelの内部資料ではMeteor Lakeのデスクトップ向けは投入が中止される判断が行われた事が明らかに鳴っています。

なお、デスクトップ向けについてはIntelでは2022年に発売されたRaptor Lake-Sをリフレッシュした『Raptor Lake Refresh』をデスクトップ向け第14世代CPUとして投入する計画になっています。

Meteor Lakeから名称が『Core i』から『Core Ultra』に変更する可能性

Intelでは2006年まで主流だった『Pentium』ブランドの後継として『Core』ブランドを2006年に新たに立ち上げ、2008年には現在も使われている『Core i』ブランドが登場し、それらが2023年現在も使われています。しかし、IntelではMeteor Lakeについて後述する内蔵GPUやAI機能など従来のモデルに比べて大きく進化している事から差別化を図るべく一部製品またはすべてのMeteor Lake系CPUに対して『Core Ultra』と言う名称を付ける可能性が出てきています。現時点ではCore Ultra 5やCore Ultra 7など現行のCore i5やCore i7と似たナンバリングが採用される見込みです。

Intelのタイル型アーキテクチャーがコンシューマー向けに初めて投入へ

IntelではRaptor LakeまでCPUやGPU、各種アクセラレータ、I/O関係などすべての機能を1つのダイに搭載するモノリシックダイが採用されていました。しかし、このモノリシックダイの場合、製造プロセスを一つしか選択する事が出来ず、各機能毎に最適な製造プロセスを選択する事が出来ません。これは結果的に歩留りの低下や各機能に対してオーバースペックまたはスペック不足などの不具合を招き、単体機能では得られたはずの最大性能を発揮できない事に繋がります。

そこでIntelではCPUやGPU、各種アクセラレータ、I/O関係を各自『タイル』と呼ばれる機能に分割し、それらをレゴブロックの様に組み合わせて一つのCPUを作る『タイル型アーキテクチャー』をMeteor Lakeから投入します。

このタイル型アーキテクチャー化によりMeteor Lakeでは各機能に応じて最適な製造プロセスで製造する事が可能となり、異なるタイル間で技術的な進歩を最大限に活用し、性能と効率を最適化することが可能となります。

これが後述する内蔵GPU性能の大幅向上やAI向け機能に特化したVPUなどに繋がります。

CPUはAtom系のE-Coreは新アーキテクチャー『Crestmont』搭載。Core系のP-CoreはRedwood Coveへ進化。

Meteor LakeのCPUについてはAlder Lakeから投入されたハイブリッドアーキテクチャーが引き続き採用されますが、各アーキテクチャーはP-CoreがRedwood Cove、E-CoreがCrestmontと言うアーキテクチャーに変更されます。

この中でP-Core側のRedwood CoveについてはベースがAlder Lakeと同時に投入されたGolden Coveがベースのアーキテクチャーとなっており、Raptor Lakeで投入された改良版であるRaptor Coveを更に改良したアーキテクチャーとなります。ただし、Raptor Coveに対して製造プロセスの縮小に加え、多くの変更が加えられていると見られているため、Raptor Coveに対して10%以上のIPC向上が予測されています。

E-Core側についてはAlder LakeやRaptor Lakeで搭載されていたGracemontは2020年に開発されたTremontをベースとしていましたが、Meteor Lakeに搭載されるCrestmontは完全新規のアーキテクチャーとなるようです。

このCrestmontはIntelがサーバー・データセンター向けに投入する多コアCPU、Sierra Forestなどにも搭載する事を想定した設計になると見られており、性能面ではGracemontに対して8~15%のIPC向上が予測されています。

Arc Alchemistベースの内蔵GPUを搭載でグラフィックス性能が大幅向上

Meteor Lakeの最大の進化点でもあり売りはCPU性能より、内蔵GPUの性能となっています。このMeteor Lakeではタイル型アーキテクチャーを採用した事でTSMC 5nmで製造されるGPUタイルを搭載する事が可能になっています。このGPUタイルはIntelが2022年より発売したディスクリートGPU、Arc Alchemistをベースとしたものになっており、Meteor Lakeのタイルの1つとして投入される上では、Execution Unitを128基搭載する他、動作クロックは2 GHzを超えると見られています。

このGPUタイルによってノートPC向けディスクリートGPUであるGeForce GTX 1650 Ti Max-Qに迫る性能を発揮しており、AMDが2023年5月に投入したRyzen 7040HSや2024年投入予定のRyzen 8050(Strix Point)に迫る性能を目指して開発が進められているようです。

VPUでAI系処理を低消費電力で高速化。

Meteor LakeではAI処理などを低消費電力で実現するVPU(Visual Processing Unit)が搭載されています。このVPUはTSMC 6nmで製造が行われており、メモリーコントローラーやQSVなどを含めたSoCタイルの一部分の機能となっています。このVPUは低消費電力でAI処理などを動作させることを目的としており、音声やビデオ処理などを低電力実行できます。ただ、低消費電力だからと言って性能が低い訳でもなく、AI画像生成ソフトであるStableDiffusionなどの動作が可能であったり、GPUなどと協調した動作も可能になる見込みです。

新キャッシュシステム『Adamantine』でCPUやGPU性能を向上させる?

IntelのMeteor Lakeではタイル型アーキテクチャーなど刷新規模がかなり大きくなっていますが、タイル型アーキテクチャーを載せる土台となる部分に『Adamantine』と呼ばれるL4キャッシュ的なシステムを搭載すると見られています。この『Adamantine』については用途などは明確には分かっておらず、そもそも製品版のMeteor Lakeに搭載されるかも不明ですが、プロトタイプは512MBまでの容量を持ち、GPUとVPUなどを搭載するSoCタイルの直下に搭載されるとのことで、搭載されればVPUとGPUの協調動作などにも使われると見られています。

投入時期は2023年秋まで。海外の入学シーズンに間に合わせたい?

IntelのMeteor Lakeについては2023年末までの発売と公表されていますが、Intelとしてはアメリカの新学期が始まる時期である2023年8月から9月の間に発売が計画されているとのことです。このシーズンは入学生などが新たにパソコンを買うシーズンであり、最もノートPCが売れる時期でもあります。そのため、Intelではこのシーズンに多くのMeteor Lake搭載ノートPCを出荷し、2024年にAMDが投入するStrix系APUに対してシェアの面で先行しておきたいと考えているようです。

そのため、Meteor Lakeについては一部モデルだけでも8月や9月に発売され、同時期に搭載したノートPCなどが登場する可能性がありそうです。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
プロフィールはこちら

コメント

コメント一覧 (1件)

  • Meteor出たらノート一枚欲しい。早く出して。
    年末まで待たされたらzen5でいいやってなるしw

コメントする

目次