Intelでは2023年から2024年に第14世代CPUのMeteor Lakeを投入する予定となっていますが、このMeteor Lakeに搭載される内蔵GPUについてIntelとしては初めてレイトレーシングに対応する可能性が出てきているようです。
第14世代CPUとなるMeteor Lake
Meteor LakeについてはIntelから2022年に登場するRaptor Lakeの後継モデルにあたる第14世代CPUとなっており、2023年から2024年にかけて市場投入することをIntelでは予定しています。
このMeteor LakeではCPUやGPUなどはチップレット化(Intelはタイルと呼称)するなど最新技術が投入し、GPUについては性能を大幅に引き上げるとも見られていますが今回このGPUについてレイトレーシングに対応する可能性があるようです。
GPUはXe-HPGに。アーキテクチャーはAlchemistに近い?
IntelがGithub上でIntel Graphics Compilerに関する情報を公開し、この内容についてColelacanth’s Dreamが内容を解析しています。
解析によると、Meteor Lakeに内蔵されるGPUはArc Alchemistをベースとしたアーキテクチャーとなるようで、その中でもディスクリートGPU向けに開発されたDG2(Xe-HPG)が搭載されるようです。
現行のIntel Alder LakeやRaptor Lakeに搭載される内蔵GPUはXe-LPGと呼ばれる省電力に特化したGPUとなっていますが、Meteor Lakeでは性能が大きく向上すると見られています。
また、Arc Alchemistをベースとしたアーキテクチャーである事や、コンパイラーの内容にレイトレーシングに関する記述がある事からMeteor Lakeにおいてはレイトレーシングに対応すると見られています。一方でArc AlchemistをそのままMeteor Lakeに移植される訳では無く、ダイサイズや消費電力の関係から一部機能が省かれるようで、XeSSなどアップスケーリング技術については対応が出来ない可能性があるようです。
AMDでは既に2022年1月頃に発表したモバイル向けのRyzen 6000シリーズからはレイトレーシングやアップスケーリング技術であるFSR 2.0に対応しており、2023年1月にはRDNA3へ刷新し更にグラフィックス性能を上げたっモバイル向けRyzen 7000シリーズの発売が予定されています。これらのモデルに対抗を目的にIntelでもモバイル向けCPUの内蔵GPUのグラフィックス性能向上に注力する方向のようで、Meteor LakeのXe-HPG化やレイトレーシング対応はAMDを意識した作りになるようです。
Meteor Lakeに内蔵されるGPUはXe-HPG系という事でAMDのRyzen 6000や7000シリーズのようにディスクリートGPUをベースとした内蔵GPU搭載となるようで、モバイル向けGPUのグラフィックス性能面ではIntelはMeteor LakeでやっとAMDに追いつける見込みがありそうです。
ただ、Meteor LakeについてはTSMC 3nmでの製造が予定されているものの、設計自体が遅れており、当初は2023年上旬に生産が開始できるはずが、2023年下旬に遅延しているようです。また、別の噂ではそもそもTSMC 3nmを使った内蔵GPU自体がMeteor Lakeから次の世代であるArrow Lakeに延期されるという話も出ているため、Meteor Lakeは今後どのような計画でリリースされるのかなど状況が読めないCPUになっています。
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